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オリ強奪の強奪!大引を指名/ドラフト

小泉球団社長(右)と握手を交わすオリックス・コリンズ監督(撮影・鈴木豊)
小泉球団社長(右)と握手を交わすオリックス・コリンズ監督(撮影・鈴木豊)

 今ドラフトのキーワードは「強奪」だった。大学・社会人ドラフトが21日、都内で行われオリックスは3巡目でアマNO・1野手の大引啓次内野手(22)を指名した。当初は国学院大・嶋基宏捕手(21)を狙っていたが、先に楽天が指名。急きょ方針転換し、阪神が狙い、ヤクルトも獲得を目指していた大引をウェーバーの優先順を生かして指名に成功した。また日本ハムは、巨人と相思相愛だった日大の長野(ちょうの)久義外野手(22)を4巡目で指名。横浜もロッテ入りを熱望した東京ガスの木村雄太投手(21)を指名と「仁義なき争奪戦」が展開された。

 オリックスが3巡目で大引を指名した瞬間、ドラフト会場に大きなどよめきが起こった。阪神岡田監督は思わず頭をかいた。ヤクルト古田監督も苦笑した。そして12球団でただ1つ、オリックスのテーブルから高笑いが響き渡った。サプライズな指名。完全に他球団の裏をかいてアマNO・1内野手を確保したコリンズ監督は、してやったりだ。

 「うちにチャンスがあったので指名した。ヒットをたくさん打てるいい素材の選手。彼にとっても明るい未来が広がったと思う」

 大引を巡っては、早くから阪神が3巡目での獲得意思を固めていた。だがここへきて、ウエーバー順で先になるヤクルトが急きょ指名を決定。球界内では阪神がヤクルトに“強奪”される雰囲気が漂っていた。だがこの日午前、オリックスは緊急のスカウト会議で土壇場の参戦を決定。“強奪の強奪”の意思を固めてドラフト会議に臨んでいた。

 実は窮余の一策だった。当初の3巡目予定は国学院大の嶋捕手。だがウエーバー順で先に楽天に指名されることが決定的になった20日深夜から、スカウト陣は戦略の練り直しを迫られた。小泉球団社長は「最後まで楽天さんの動きが分からなかった。いくら嶋くんと相思相愛でもこれがドラフト」と説明。最優先の補強ポイントは捕手だったが、FA宣言した正妻日高が残留濃厚の感触をつかんだこともあり、小泉社長が「ならば一番いい野手に行こう」と号令をかけた。

 大引は法大で1年春から全試合に先発出場し、首位打者2回、ベストナイン5回の走攻守3拍子揃いの即戦力遊撃手。4日の東京6大学選抜対ヤクルト戦(神宮)では、ヤクルト藤井から先頭打者弾もカッ飛ばした。そして何より、大阪市出身で浪速高卒業というコテコテの大阪人。オリックスは来季専用球場を神戸から大阪に移すだけに、小泉社長は「ドーム元年に地元のいい選手が取れた」とちゃっかり“なにわの星”との期待も口にした。

 コリンズ監督は堀井スカウト部長を抱き寄せて労った。「グッド、ピッキング(よく獲った)!」。そして力強く言った。「スカウトには100点満点をあげたい」。22日の米国帰国を前にもらった最高の手土産に、満面笑顔だった。【松井清員】

[2006年11月22日9時24分 紙面から]

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