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阪神6連打イッキ6点、天敵中田つぶした

- 4回裏1死二、三塁、金本は浜中の右前適時打で二塁から生還を狙うも本塁でタッチアウト(撮影・加藤哉)
<阪神9-2中日>◇29日◇甲子園
この暴れっぷりを待ってっていた。煮え湯を飲まされ続けたオレ竜を相手に甲子園球場のダイヤモンドを走り回る猛虎軍団。4回には今季初の6連打を集中させ、天敵中田をKOした。直接対決でじわりと詰めて8ゲーム差。むろん、連覇への道は遠い。だが1試合1試合、積み重ねていくしか先はない。まず30日、再び中日をたたいて、夢をつなげ。
昨年覇者のプライドなどかなぐり捨てた。やられた分、やり返せ! 虎戦士の思いはそれだけだった。懸命にファウルで粘る。誰もが必死に中日先発中田の剛球に食らい付いた。4回、今季初、怒とうの6連打での6得点。呼んだのは「気持ち」だった。04年7月21日(横浜戦)以来、2年ぶりの集中攻撃。岡田監督は頼もしげに見届けた。
「久しぶりやな。ああいうの見るのは…。今まで空振りしていたボールをファウルにしとった。何とかしてやろうという気持ちが強かった。向こうでやられっぱなしでこっちで何とか、という気持ちが見えたな」
相手の中日中田は昨季から対阪神先発6連勝中の虎キラー。今季も、この試合前まで3勝0敗、防御率0・72。中日との直接対決で2勝11敗と大きく負け越す要因となっていた。そんな宿敵中の宿敵を、甲子園の大歓声をバックに打ちのめした。
最大の山場と見られた8月11日からのナゴヤドームの直接対決で、屈辱の3連敗。2連敗で迎えた13日の試合前ミーティングで、岡田監督は強烈なゲキを飛ばした。「今からは自分の成績のことだけを考えろ。責任は全部オレがとったる!」。悲壮感あふれる表情。一瞬、辞任表明と受け止める関係者もいたほどだった。続投は規定路線なものの、ガケっぷちに追い込まれたナインを鼓舞しようと必死だった。
そんな指揮官の思いは舞台を本拠に変えてようやく届いた。4回1死一塁、最初の二塁打を放った2番関本は気迫に満ちていた。「失うものは何もないと思って打席に入った」。ミーティングでは、中田最大の武器ストレートにあえて的が絞られていた。関本の3安打はいずれもストレートを打った。リベンジの気持ちがバットに乗り移った。
6連打の中心にいたのはベテラン4番金本だ。こちらも猛打賞。6回、プロ野球史上12人目の1000四球も選んだ。8月の月間打率3割5分9厘、23打点。決してあきらめない姿勢をグラウンドで示す。「明日や、明日!」。奇跡へ3連勝あるのみ。厳しい表情は最後まで崩れなかった。
6連打の最後を12号2ランで締めた矢野が言った。「島野さんが力をくれたのかもしれない。気持ちのある人やから…」。試合前、大病を患い、退院したばかりの島野2軍監督がロッカーを訪れていた。自分のことはそっちのけ。「頑張ってるな」とナインに声を掛けて回る姿に、誰もが奮い立っていた。
8回表終了後、どしゃ降りの雨でコールド勝利。これからの奇跡に不可欠な運の前兆も見えた。「岡田&島野」。勝負師2人の姿がナインの執念を再び、呼び覚ました。【片山善弘】
[2006年8月30日9時53分 紙面から]
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