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2007年阪神キャンプ特集


阪神ジャン多汗も“手の平だけサラサラ”

ジャンの右手
ジャンの右手

 バスタオル王子は、神の手を持っていた。阪神の新外国人エステバン・ジャン投手(31=ロイヤルズ)は1次キャンプ打ち上げの18日にブルペンで56球の投げ込みを行った。「ナイヤガラ」に例えられる滝のような汗をこの日も流したが、滑り止めのロージンバックを使ったのは3度だけ。なぜだ? 全身の異常な発汗量にも「手の平だけは不思議と汗をかかない」と投手向きの体質であることを告白した。

 ネットの奥に座る岡田監督に見せ付けるように、ジャンは全力を込めた。56球の沖縄・宜野座“投げ納め”。最後の5球は表情を引き締め、実戦さながらの真剣投球でフィニッシュした。帽子を脱いでひと振りすると、溜まった汗が噴水のように散った。

 「全身からよく汗をかくけど、手の平だけは不思議と汗をかかないんだ。いつも乾いている。だから試合でも、問題ないんだ」

 顔を緩め、得意の秘密を打ち明けた。沖縄で2度行ったフリー打撃登板では、汗の量が尋常でないことから、途中で通訳がバスタオルをマウンドに届けた。ついたあだ名が「バスタオル王子」。聞くからにベットリ、ムシムシする王子様の自慢は、別人のようにサラサラした手の平なのだ。

 投手をするために生まれてきたような体質だ。ボールを握る右手の平がいつも乾いているから、チェンジアップ、フォーク、スライダーなど多彩な変化球も思ったように制球できる。最速150キロの速球にもスピンを効かせられる。手の平以外の汗腺は人並み以上に活発だが、投球にはまるで支障なし。発汗を気にしていた久保チーフ投手コーチにも説明し、安心させた。

 実際にこの日のブルペン投球でも、足元のロージンバックに手を伸ばしたのは3度だけ。それも額や顔を流れる汗を、やむなく指で払った後だけだ。滑り止めいらずの神の手。2次キャンプの安芸ではいよいよ、実戦登板に臨む。

 「オーナーが来られる紅白戦で投げさす。右ではローテーションに入る投手が出遅れているけど、外国人の2人はある程度いい投球をしているので楽しみ」

 岡田監督の総括でも、ライアン・ボーグルソン投手(29=パイレーツ)と揃って期待を抱かせた。キャンプイン時に3・5キロオーバーの体重は、残念ながら絞りきれなかった。だが神の手から繰り出す魔球と汗だくピッチングで、安芸のファンも楽しませる。【町田達彦】

[2007年2月19日9時35分 紙面から]

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