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阪神ジャン1勝!汗の結晶!二女に贈る

湯気が出る、汗がほとばしる。5回表、三塁走者の汗かきジャンは人間水蒸気?(撮影・宮崎幸一)
湯気が出る、汗がほとばしる。5回表、三塁走者の汗かきジャンは人間水蒸気?(撮影・宮崎幸一)

<ヤクルト3-4阪神>◇3日◇神宮

 阪神の新外国人、エステバン・ジャン投手(31=ロイヤルズ)が寒い神宮球場で大汗をかいての来日初勝利を飾った。3日のヤクルト1回戦で公式戦初先発。4回まで無失点だったが金本の満塁弾で4点先制した5回に突然、乱れた。ボークあり、右手でぬぐった汗をボールに付けたと注意ありの“ジャン劇場”で3失点。この回限りで降板したが救援投手の粘りでなんとか白星をつかんだ。先月27日には二女が生まれたばかり。マウンドの魔術師は公私ともに喜びに浸った。

 勝利目前に黙っていられない。ジャンは藤川の火消しを見ながら、三塁側ベンチで通訳に話しかけ続ける。最後の打者リグスが三振に終わると、神に感謝しながら歓喜に浸った。5回3失点の来日初勝利。ボークあり、球審の注意あり、来日初安打あり。“ジャン劇場”は寒空の下でも変わらなかった。

 ファンの大声援に白い歯がこぼれ落ちる。「最後の5回以外は思ったように投げられた。まあ勝つことが大事なんで、良かった」。ホッとした表情にすべてを出し尽くた満足感が漂う。序盤はオープン戦で続けてきたマウンドの魔術師ぶりを披露した。3回までの決め球はスライダー、フォークなどの変化球。ヤクルト打線を手玉に取った。

 だが本当の「らしさ」は4回からだった。寒さの戻ってきた東京で、チーム唯一の半そでアンダーシャツ。雨ではない大粒の汗がこぼれ落ちる。無死一塁で額を右手でぬぐった後にボールをこねたことを、球審から注意された。一塁シーツが通訳に入り、ベンチからは久保チーフバッテリーコーチが駆け寄る。逆に闘争心に火が付いた。リグスをシュート気味の143キロ直球で併殺。ラミレスは150キロ直球で空振り三振。力でねじ伏せた。

 炎は燃え上がる一方だ。5回の打席では激走で内野安打。金本の満塁弾を誘因した。だが直後の投球で突然乱れる。ガイエルを四球で出すと、セットポジションで制止せずボーク。さらに3連打などで3失点に「5回は高めに浮いた。気合いが入りすぎた」と苦笑い。オーバーヒートに岡田監督も「急におかしくなったな。あいつらでも意識するんかな、勝ち投手とか」と降板で熱を冷まさせた。

 喜怒哀楽の末、ジャンは勝った。先月27日には二女が生まれたばかり。喜びが重なり「ありがとうございます」と無邪気な笑顔を見せた。家族のためにも、チームのためにも、負けない。阪神には、熱く激しい助っ人右腕がいる。【今井貴久】

[2007年4月4日9時59分 紙面から]

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