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阪神9連勝で首位、球児炎の9連投

勝利の瞬間、藤川(右)の肩に手をかけ笑顔で力投をねぎらう金本(左から3人目)。左から葛城、矢野(撮影・鈴木豊)
勝利の瞬間、藤川(右)の肩に手をかけ笑顔で力投をねぎらう金本(左から3人目)。左から葛城、矢野(撮影・鈴木豊)

<巨人1-2阪神>◇8日◇東京ドーム

 ついに来た。阪神が9連勝で首位に立った。9連投の藤川の右腕がうなった。9回、炎の11球ストレート。連日の1点差勝利に球児が最後に控える阪神の強さが光る。最大12ゲーム差を逆転しての優勝ならセ・リーグ初。でっかい目標に向かって、猛虎軍団が今日も行く。

 ついにたどり着いた。一時は12ゲームも離され、遠く、かすんで見えた山の頂上。だが一歩、一歩、確実に、しかも勢いを増しながら上り詰めた。首位だ。岡田阪神が昨年6月12日以来、453日ぶり、今季初めての単独首位に立った。

 最後の打者二岡の中飛を赤星が拝むように両手でキャッチした。普段は派手なアクションをほとんど見せない岡田監督が両手を真っすぐに伸ばし、バンザイした。その瞬間、マウンドにいたのはこの日も藤川だ。怒とうの9連勝をすべて締めくくった。

 もはや人間業ではない。9連投目となったこの日も最速150キロ、圧巻の投球内容を見せた。投じた11球はオール直球。ボールの走り次第では変化球中心の配球に切り替える捕手の矢野が、自信を持ってストレートのサインを出し続けた。

 先頭矢野には高めを狙った148キロが低く甘く入り、左翼線に弾き返された。無死二塁。しかし一打同点のピンチにも動じなかった。3番高橋由は内角高めの149キロで空振り三振。4番小笠原は147キロで捕邪飛。そして二岡は147キロで中飛。真っ向勝負で連打はもちろん、走者の進塁さえも許さなかった。

 藤川「今日はダメ。ミスしたから。勝負どころで狙ったコースに投げられないと、いつかやられる。矢野に打たれたのも二岡さんへの球もです」。

 矢野に浴びた二塁打、さらに二岡を打ち取った球も、藤川にとってはコントロールミスだったという。これも藤川の務める過酷なポジション、求める理想が高いからこその言葉に他ならない。

 「楽な展開にして球児、久保田を休ませてやれ!」。試合前の宿舎ホテル。コーチ会議で打撃コーチに対する岡田監督のゲキが響いた。その願いはかなわず、4試合連続の1点差試合。腹をくくって送り出した守護神の奮闘が、指揮官には涙が出るほどうれしかった。

 岡田監督「疲れは当然あるよ。この時期になって後ろのピッチャーで元気なヤツはおらん。明日は何とか休ませ、10日の移動日と合わせて2日間、空けてやりたい」。

 待望の首位だが「まだまだこれから、何が起こるかわからん」と気を引き締めた指揮官はカギを握る男たちへの気遣いを口にした。それでも、藤川は笑顔で“心遣い無用”と首を振る。

 藤川「明日負ければまた2位でしょ? 12ゲーム差を追いついたのはボクだけじゃなく、みんなの力です。大丈夫。自分でもビックリするくらい元気ですから」。

 4位横浜が敗れ、クライマックスシリーズ進出マジックは「15」に。しかし、もうここまでくれば目標は優勝しかない。栄光のゴールを切るため、藤川球児は今日9日も10連投目の出番を待つ。【吉富康雄】

[2007年9月9日10時9分 紙面から]

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