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林逆転弾、虎大脱出!天敵中田やっつけた

連敗を8で止め試合後のヒーローインタビューに笑顔で答える林(撮影・加藤仁)
連敗を8で止め試合後のヒーローインタビューに笑顔で答える林(撮影・加藤仁)

<阪神2-1中日>◇28日◇甲子園

 大連敗は8でストップ。3位さえ危ぶまれるチームの危機を救ったのは、復帰2戦目の林だ。1点をリードされた4回裏に、右翼席に弾丸逆転15号2ラン。クライマックス・シリーズ第1ステージ(10月13日から3戦)で当たる可能性が高い中日を相手に連敗を止め、天敵の中田に黒星をつけた。低調な虎打線の中でキラリと光るリンちゃん。残り4試合と、クライマックスも頼みまっせ。

 「お帰り!」。お立ち台に上がると、虎党の大歓声が全身に降り注いだ。林の胸はいっぱいになった。久々のホームランの感触だけではない。右肩痛で大事な優勝争いの最中に離脱。そんな自分を、こんなにも温かく迎えてくれた本拠、甲子園の声援がうれしかった。

 林「ファンから手紙とか色々もらって。応援してもらえてるのが分かって。それを思うと、1日でも早く(1軍に)戻らないと、と思えて…。こうしてまたここで野球ができて、すごい幸せです」。

 27日に1軍復帰。この日の相手はチームにとっての天敵、中日中田だった。1点ビハインドの4回。2死から、同じく昇格したばかりの今岡が四球で歩く。ここで初球125キロの低めフォークに自然と体が反応した。弾丸ライナーが右翼ポール際に飛び込んだ。林らしい、積極的かつ豪快な逆転2ランだった。

 2回の第1打席では150キロのストレートに力負けせず、一、二塁間を破った。2軍練習試合を合わせ実戦8打席目にして生まれた初ヒット。「結果が欲しい」。試合前から漏らしていた実戦勘不足の不安は、この1本で消え去った。

 8月12日以来、自身47日ぶりの1発が、泥沼8連敗中のチームを救った。阪神ファンにとっては、まだ首位だった18日以来、10日ぶりに訪れた歓喜の瞬間。3位以上で可能なクライマックスシリーズ進出にも大きく前進する勝利となった。

 今季2戦2敗、防御率0・64。05~06年は1勝6敗の中田攻略の旗手となった。6年ぶりの中日戦勝ち越しも決めた。岡田監督は「また当たる相手やから。今岡と林で2点取ったからな。2人は(調子を上げるため)最後まで打席に立たすよ」と手ごたえを口にした。短期決戦のクライマックスシリーズを考えても、大きな光となるひと振りだった。

 5月中旬、帰塁の際に右肩を痛めた。人知れずアイシング治療。痛み止めの注射も効かなくなるまで打った。寮に戻りベッドに横たわっても、夜中に何度も痛みで目が覚めた。体力も気力も失われていった。だが3カ月以上、その激痛に耐えた。任された主軸を、打率3割を、守った。

 8月29日、周囲にストップされる形で2軍降格が決まった。「もう今年は野球ができないかもしれない」。覚悟を決めた。自身が離脱した直後、チームは10連勝。だが9月11日以降急落。いてもたってもいられずテレビの前で声を枯らした。「応援してます」「帰ってきて」。多くのファンレター、練習場に掲げられるボードに励まされた。

 地道なリハビリを経て、クライマックスシリーズ前に戦列復帰した。とはいえV逸の責任を痛いほど感じている。この日の大歓声を受け、やるべき仕事を確信した。

 「まだ試合が残っている。クライマックスシリーズにいけるように、そして日本一になれるよう精一杯がんばります!」。張りのある声、そして明るい笑顔が、やっと戻った。【片山善弘】

[2007年9月29日10時9分 紙面から]

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