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矢野が中堅虎投を叱る「仲良しじゃダメ」

ファンとのチャリティーオークションでマイクを片手に質問に応じる矢野。後方左から太陽、江草、能見(撮影・外山哲司)
ファンとのチャリティーオークションでマイクを片手に質問に応じる矢野。後方左から太陽、江草、能見(撮影・外山哲司)

 仲良しクラブじゃダメだ! 生え抜きエース育成を目指す阪神矢野輝弘捕手(39)が中堅投手陣に激しいゲキを飛ばした。14日、尼崎市の中古車展示場「朝日オートセンター」で行われたチャリティーオークション&サイン会に参加。同ポジションを争うチーム内のライバル同士が自主トレを行うなど、仲良しぶりが目立つ光景に「学校じゃないんだから!」と苦言を呈した。

 このまま終わっていいのか! 即戦力と言われ続け4、5年。せっかくの才能を開花できないでいる25歳オーバーの中堅投手陣を、矢野が叱った。普段は温厚なベテランが、周囲を圧倒するほどの迫力で「意識改革」を求めた。江草、能見、杉山ら、特に不足している先発候補たちに向けた、強烈なハッパだった。

 矢野「学校じゃないんだから。友達を作りに来てるんじゃない! プロなんだから、もっと高い意識をもたないと。うちの投手はどっちかというと仲が良すぎる。みんながライバル。今年は大きなチャンスなんだから」。

 各地で行われる合同自主トレ。同じ先発、リリーフでコンビを組む情報も伝わってくる。甲子園室内でも、ウエート室でも、仲良くしゃべる姿が目に入る。キャッチボール相手が必要なのは理解しているし、一緒に汗を流すこと、すべてを否定するつもりはない。ただ必死なら相手を手助けする余裕などないはず。シーズン中を含め、必要以上にライバルと時間をともにする光景に、どうしても懸命さを感じられずにいた。

 前エース井川はストイックに自分を磨いた。ベテラン下柳は奄美大島で1人でトレーニング。野手でも金本、赤星ら、一流選手はすべて1人か、他球団の選手と汗を流す。大事なのは個人。藤川が今月、星野ジャパンで学んだキャプテン制を阪神投手内も導入するよう提案したが、それについても否定的な意見だ。

 矢野「日本代表は国を背負って戦い、短い期間でいいものを出さなければダメなチーム。うちの場合、仲良しじゃ困る。チームメートを蹴落としてでもいかないとアカン。(藤川の提案する投手間の)『意見交換』といっても、あるところはナイショにするぐらいの意識がないとね」。

 結局、自分を変えられるのは自分しかない。「今年は『ああ違うな』と分かるような違いを見せてもらいたい」と期待する。自身も中日時代、控え捕手。阪神へのトレードで開花した遅咲きだ。プロ生活の短さを知るからこそ、心を鬼にし、生え抜きエース誕生に向け、激しい言葉を繰り返した。【片山善弘】

[2008年1月15日10時18分 紙面から]

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