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- 「となり町戦争」の江口洋介と原田知世
「となり町戦争」(10日公開、角川ヘラルド)
平和に見える日本にも、戦争の影は忍び足で近づいている…そんな見えない恐怖を描いた三崎亜記の小説が江口洋介(39)、原田知世(39)主演でまか不思議なファンタジー映画になった。監督は「ラブドガン」(04年)などの渡辺謙作(36)。メッセージがいっぱいつまった不条理ラブストーリーである。
北原(江口)は田舎町の旅行会社の営業マン。平々凡々としたフツーの青年が、ある日、町の広報紙の片隅に「となり町と戦争します」という「お知らせ」を目にして仰天する。が、町も会社も普段通り。「戦争」はどこにも見当たらない。彼は町の「戦争推進室」の香西(原田)から「特別偵察業務従事者」、つまりスパイの要請を受け、香西とともに“敵地”隣町の分室勤務を引き受ける。夫婦同様の生活をしながらも、戦争を身近に感じられないままだったが、ある時、撤収を命じられて…。
「原作読んで、戦争が書かれてないから難しいな、と思った。文学にしかやれないことをやってる。でも、出来ていた脚本読んで、映像しか出来ないことをやろうと。本は戦争も恋愛も決着しないけど、そこを変えた」と渡辺監督(36)。
推進室の香西は官僚の権化として淡々と戦争を推進していく。そんな彼女を北原が「それでいいの?」と戦争も恋愛も問い詰めていって無気力青年から立ち上がる気配を見せる。北原と同世代である監督の主張は一見、もの静かだけどきっぱり「ノー」を突きつけるのである。きな臭い時代への象徴的なメッセージ。「現実とのリンクは考えなかったが、憲法改正で戦争が違憲じゃなくなったら、という指摘はしていると思う」と渡辺監督はきっぱり言った。【安永五郎】
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