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ビヨンセ伝説が始まる

映画初主演のビヨンセ・ノウルズ(中央)左はジェニファー・ハドソン、右はアニカ・ノニ・ローズ
映画初主演のビヨンセ・ノウルズ(中央)左はジェニファー・ハドソン、右はアニカ・ノニ・ローズ

「ドリームガールズ」(17日公開、UIP)

 ビューティークイーン、ビヨンセ・ノウルズ(25)が日本列島に春を告げる。初主演映画「ドリームガールズ」(ビル・コンドン監督)が17日公開。きらびやかでいて味わい深いミュージカルで“伝説の歌手”を演じた彼女は、4月にソロとして初来日ツアーを行う。「デスティニーズ・チャイルド」を解散して1人立ち、ソロ歌手としての道を歩み始めた彼女に、映画のモデル「シュープリームス&ダイアナ・ロス」がダブる。

 「伝説の歌手」を演じる歌手は幸せである。かつて、ダイアナ・ロスは「ビリー・ホリデイ物語/奇妙な果実」(72年)でホリデイにふんし黒人としてのアイデンティティを歌った。悲惨な生い立ちからはい上がった彼女を通して人種差別を告発し、ロス自身この映画から大歌手への道を歩み始めた。そのロスをモデルにした役を演じたビヨンセもまた「ドリームガールズ」を機に記憶と歴史に残るスーパースターにのし上がる…そんな予感が漂うリアルな夢の映画である。

 デトロイトで夢見る3人の少女。ようやくつかんだ仕事はソウル歌手ジミー(エディ・マーフィ)のバックコーラス。だが少女たちは「いつか自分のステージを」という夢に燃える。この時、ビヨンセはまだ目立たぬ少女ディーナだった。代わって歌唱力も体格も抜群のエフィー(ジェニファー・ハドソン)がメーンを取り全身からしぼり出すド迫力ボーカルを聴かせる。アカデミー賞助演女優賞候補のハドソンの独壇場だ。

 ようやく「ザ・ドリームス」として1本立ちのチャンスをつかんだ彼女たちだが、仕掛け人カーティス(ジェイミー・フォックス)は非情にもエフィーからディーナへの主役交代を告げる。怒るエフィーに自信なさげなディーナ、仲をとりなすローレル(アニカ・ノニ・ローズ)。それぞれの恋愛模様もからんで、彼女たちに亀裂が入る。

 リードボーカルに抜てきされた後のビヨンセの変ぼうぶりは目をみはるばかりだ。まるでサナギからチョウに変身するように、きらびやかでまばゆいビヨンセそのものになっていく。ステージ衣装や写真、ジャケットなど、いずれもかつてのダイアナ・ロスをほうふつさせるものであるのは、彼女へのオマージュだ。

 カーティスの非情采配は、黒人グループがテレビ時代に白人にも受け入れられるための作戦だった。思惑は見事にはまったのだが、それはまた、ロスがシュープリームスで経験したことでもあっただろうか。コンドン監督は「ビヨンセはすでにディーナのストーリーを経験している。彼女はこの役を演じるために生まれてきた人」と語っている。【五】

 ◆「ドリームガールズ」ストーリー 1962年、米デトロイトの夢見る3人の少女ディーナ(ビヨンセ)、エフィー(ジェニファー・ハドソン)、ローレル(アニカ・ノニ・ローズ)はカーティス(ジェイミー・フォックス)に見出され、人気のソウル歌手ジミー(エディ・マーフィ)のバックコーラスとしてツアーに出る。ジミーの成功で彼女たちにもチャンス到来。「ザ・ドリームス」としてデビューが決まる。だが、カーティスは、抜群の歌唱力で主役を務めていたエフィーに替え、美ぼうのディーナをリードボーカルに据えたことから、仲良し3人組に亀裂が入り始める。

 ◆メモ 舞台はマイケル・ベネットの演出で81年12月初演、4年間で1522回公演を記録した。




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