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監督の椅子 山下敦弘監督

アブない人間描写がユニークな「松ヶ根乱射事件」の山下敦弘監督
アブない人間描写がユニークな「松ヶ根乱射事件」の山下敦弘監督

「松ヶ根乱射事件」(3月10日公開、ビターズエンド)

 まともなようなのにどこか壊れてる。最近の悲惨な事件のように、一見フツーの人間が突然タガが外れて事を起こす。大阪芸大出身の山下敦弘(のぶひろ)監督の映画は、そんなアブない人間描写がとてもユニークでおかしい。前作「リンダリンダリンダ」(05年)で名を上げたが、新作は再び彼独自の世界だ。

 90年代はじめの雪深い田舎・松ヶ根。警官の光太郎(新井浩文)はプータローの双子の兄、家出中の父(三浦友和)に手を焼きながらも忠実に職務をこなしている。兄が車ではねた女みゆき(川越美和)が病院で息を吹き返し、同棲男(木村祐一)と兄の家に転がり込む。得体がしれずやたら暴力的なこの男女が湖から引き揚げたのは金塊と生首だった…よどんだような田舎で、型破り男女が与える強烈なショックに、辛うじて保っていた光太郎の神経がブチ切れていく。

 「バブル崩壊で息詰まった昭和の事件風にしたかった。銃の乱射で終わろうと。事故死した素っ裸の女が死体安置所から生き返る…。川越さんとその男木村さんの強烈な個性に圧倒されますよ。人とは違う映画を作りたいと思ってるし、人物のキャラが面白くて魅力があれば笑えると思う」。【五】




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