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こだわりシアター「レジスタンス」の運命

レジスタンスに身を投じたラヘル(右)はナチス親衛隊将校に接近するが…
レジスタンスに身を投じたラヘル(右)はナチス親衛隊将校に接近するが…

「ブラックブック」(4月7日公開、東芝エンタテインメント)

 対独レジスタンス(抵抗運動)は長い間、第2次世界大戦の英雄だった。「史上最大の作戦」(62年)では、連合軍のノルマンディー上陸作戦を導く重要な役割を果たすし、ルネ・クレマン監督の「パリは燃えているか?」(66年)では、おびただしい犠牲を払いながらパリの街を守り抜く。大戦中、レジスタンスこそが正義だった。

 だが戦争の狂気は、そんな善悪二元論で片付くものではない、とより深くレジスタンス内部に切り込んだのがオランダ映画「ブラックブック」である。監督は「氷の微笑」で知られるポール・バーホーベン(66)。娯楽映画の職人が23年ぶりに祖国に復帰し、腕によりをかけてナチスとレジスタンスの複雑怪奇なかかわりを描きあげた。

 ドイツ占領下のオランダでは、美ぼうのユダヤ人歌手ラヘル(カリス・ファン・ハウテン)がレジスタンスの男の手引きで南部への脱出を試みる。多額の金を払って一家そろって船に乗り込んだが、ドイツ船に待ち伏せされ皆殺しにあう。1人生き残ったラヘルは農民の助力でハーグにたどり着き、名前を変え、髪を金髪に染めて変身。ナチスへの復讐のためレジスタンスに身を投じる。だが、与えられた任務は、親衛隊将校ムンツェ(セバスチャン・コッホ)に体ごと接近することだった…。

 ムンツェが実は良心的な将校で、ラヘルもいつしか愛するようになったり、信頼していたレジスタンス上層部がナチスと通じていたり、混とんとした状況に翻ろうされ、最後は解放された市民につるし上げられる彼女の姿こそが当時の欧州の実相だったのだろう。祖国の血に目覚めた監督の心の奥からの叫びは、ハリウッド映画が薄っぺらに見えるほど重く、熱い。【安永五郎】




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