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監督の椅子 奥田瑛二(57)

4年ぶりの主演作「ヒョンジェ」の奥田瑛二
4年ぶりの主演作「ヒョンジェ」の奥田瑛二

「ヒョンジェ」(公開中)

 3作目の「長い散歩」でモントリオール映画祭グランプリを獲得するなど、今や世界に認められた映画監督の奥田瑛二が「リバイバル・ブルース」以来、4年ぶりに俳優1本で主演したのが異色作「ヒョンジェ」(井上泰治監督)である。ここ数年「俳優はやり尽くした」と監督業に専念していたが「突然、役者をやりたくなった」と出演した。

 映画は、68年の川崎シージャック事件で犯人の在日青年を射殺した狙撃隊員(奥田)が、そのために世間から“殺人者”として指弾され、家族とともに各地を放浪、11年後、犯人の弟に出会う、というリアルな社会派ドラマ。「ボクには同時代の話。大学生だったし安保闘争があった。親子や友情の絆が希薄になってる今、もう一度そんな社会を振り返る必要があるんじゃないか、と。『長い散歩』もそうだし、映画にヒューマニズム=愛がないと意味がない」とまるで監督のような言葉。

 監督4本目の「風の外側」(秋公開)をすでに完成させた。下関を舞台に、在日朝鮮人と日韓ハーフの女子高生の純愛物語という。次いで第5作、幕末を舞台にした時代劇にこれから着手する。夢を実現した団塊監督の快進撃は止まりそうにない。【五】




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