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松岡監督、母の死描くため著者に直談判

映画「東京タワー」で打ち合わせをする松岡監督(左)、樹木希林、オダギリジョー
映画「東京タワー」で打ち合わせをする松岡監督(左)、樹木希林、オダギリジョー

「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」(14日公開、松竹)

◆松岡錠司監督(45)

 母の死を描くなんて、息子には辛すぎる。松岡監督もそうだった。7年前、介護問題を通して母と娘のかっ藤を描く「アカシアの道」を撮った。母と娘が2人で歩いていくラストシーンは「娘が骨壷を抱いて歩く考えもあった」という。だが出来なかった。その前年(99年)10月に母を亡くしていたからだった。

 リリー・フランキーの小説にはベストセラーになる以前に出会った。松岡監督は1読者としてサイン会に並び「映画化するなら監督させてほしい」と直談判した。ここまでやった監督は初めて聞いた。「家族の話をやりたかった。だけど、自分の母親の死から始まる物語は書けなかった」という。「東京タワー-」を読んで「リリーさんは命削って書いてるな。おみそれしました」と素直に脱帽するしかなかった。

 その後、200万部を超えるベストセラーになり、テレビドラマにもなって今や社会現象に。だが「ここまでになるとは。ツボにハマったんですかね。分かんないですね」。樹木希林、オダギリジョーというこれ以上ないキャストを得て、普遍的な母の映画を撮りあげた松岡監督には、社会現象など眼中になかったに違いない。【五】




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