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こだわり傑作選 怨念が悪霊となり…

- 「ドリーム・クルーズ」でホラーに挑んだ木村佳乃
「ドリーム・クルーズ」(12日公開、角川)
アラン・ドロンの「太陽がいっぱい」(60年)は富豪青年モーリス・ロネの恋人マリー・ラフォレに、ドロンが恋したことから起こる悲劇を、太陽輝く海を走るヨット上で描いた傑作だった。ロマン・ポランスキー監督の「水の中のナイフ」(62年)も裕福な中年夫婦が貧しい青年をヨットに乗せたことから悲劇が起きる。海の上、3人の男女…最高にサスペンスフルな状況で、今や世界に誇るジャパニーズ・ホラーを撮ったら…鶴田法男監督が挑んだ「ドリーム・クルーズ」(鈴木光司原作)は緊迫感に満ちている。
資産家の英治(石橋凌)は、若く美しい妻・百合(木村佳乃)と東京湾クルーズに出かける。同行したのは英治の顧問弁護士ジャック(ダニエル・ギリス)。百合との不倫関係に英治も薄々気付いている。ジャックには幼い弟を海で失ったトラウマがあった。逃げ場のない海の上、3人はそれぞれ思惑を抱いていた。闇の中、クルーザーのスクリューがストップ、英治の言動が異常をきたす。彼の前妻の失そうの真相を百合が水の中で“見た”時、恐怖の正体が明らかになる。
ミステリーの常道である密室劇から、後半は一気に戦慄の連続へ。ホラーを一途に追及する鶴田監督の独壇場だ。クルーザー停止の原因は、実は「太陽がいっぱい」の衝撃ラストを継承している。「太陽-」で主人公の野望をくじいた“怨念”は現代では、悪霊となって復讐を果たすのである。【五】
5月5日付
- あなたも世界一早い目撃者になれる!(写真あり)
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