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こだわり傑作選 喜多嶋舞が壮絶艶技

- 石井隆監督の「人が人を愛することのどうしようもなさ」で限界破りのハード艶技に挑んだ喜多嶋舞 c 2007 東映ビデオ
「人が人を愛することのどうしようもなさ」(8日公開、東映)
古くは新東宝の裸体映画、60年代に始まったピンク映画、「白日夢」(64年)の武智鉄二監督、70年代の年代の日活ロマンポルノ、本番映画「愛のコリーダ」」(76年)の大島渚監督…性表現に挑んだ映画の歴史でひときわ異才を放つのが石井隆監督(61)だ。
杉本彩の「花と蛇」2本(03、05年)でエロスを極め、社会現象まで巻き起こしたのは記憶に新しいが、またまたカゲキに限界を破って見せたのだから驚き。「人人」の喜多嶋舞(35)は、これぞ体当たりというにふさわしい壮絶艶技。愛、嫉妬からの破たん、そして復しゅうへと至る女の情念を、一糸まとわぬ肉体をスクリーンに投げ出して表現した。ここまで大胆な「女」は「愛のコリーダ」の松田暎子以来ではないか。
一見、シンプルな物語だ。人気女優・名美(喜多嶋)は俳優の夫・洋介(永島敏行)が若い女優(美景)と浮気して破局寸前。だが、名美の新作で洋介と共演、それどころか浮気相手まで一緒というスキャンダラスなキャスティングで話題騒然となる。ある夜、早めに帰宅した名美は、夫と女がベッドにいるのを目撃してショックを受ける…。
現実か、と思ったらそれは映画の撮影でカットの声が入ったり、回想による現実だったり、虚と実が複雑に入り混じって見る者を幻惑していく。とりわけ、名美が町で行きずりの男を拾い、廃屋で激しく交わるSMチックなシーンは限界破りの象徴。女の愛と哀しみ、そして過激さの中に一途な思いをにじませる名美が凄まじい。石井隆はやはり異端児の名がふさわしい。【安永五郎】
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