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こだわり傑作選 分断国家ならではの悲恋

分断国家の恋愛メロドラマ「約束」(C) 2006 CJ Entertainment Inc. & Sidus FNH. All rights reserved.
分断国家の恋愛メロドラマ「約束」(C) 2006 CJ Entertainment Inc. & Sidus FNH. All rights reserved.

「約束」(12月1日公開、角川映画)

 愛し合う男女が様々な理由で結ばれない恋愛メロドラマは、戦前の「愛染かつら」以来ヒット映画の定番。恋愛に障害が少なくなった現代では悲劇の要因は難病になり「愛と死をみつめて」(64年)や「ある愛の詩」(70年)、セカチューなどが代表的。もうひとつ戦争、国家が重要なテーマになることも少なくない。韓国映画「約束」(アン・パンソク監督)は典型的なメロドラマだが、カップルを引き裂いてしまう分断国家ならではの悲劇である。

 01年北朝鮮のピョンヤン。気の弱いホルン奏者キム(チャ・スンウォン)は、聡明で活発なヨナ(チョ・イジン)にやっとの思いで愛を打ち明け、将来を約束する。だが、死んだはずのキムの祖父が生きていて韓国と連絡を取っていたことがばれ、南へ逃げるしかなくなる。キムは「必ず迎えに」と誓って別れる。キム一家の苦しい逃避行、中国での潜伏期間、独大使館への逃げ込み…脱北の模様はスリリングだ。

 02年ソウル。ヨナを呼び寄せる資金をだまし取られたキムは落胆、そこへ「ヨナが結婚する」と風の便りで聞きヤケになる。恩人の女性と結婚して幸せをつかむが、ヨナは約束を守ってソウルへやって来た…。

 同じ朝鮮半島でのすれ違いドラマは、単なるメロドラマを超えて分断民族の悲しみをひしひしと伝えている。【安永五郎】




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