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前田が本盗!PL7年ぶり4強/センバツ

2回表PL2死三塁、打者仲谷のとき前田が本盗を決める
2回表PL2死三塁、打者仲谷のとき前田が本盗を決める

<センバツ高校野球:PL学園4-1秋田商>◇10日目◇1日◇甲子園◇準々決勝

 「桑田2世」が再び甲子園のド胆を抜いた。PL学園(大阪)の前田健太投手(3年)が2回表の攻撃でホームスチールを敢行し、先制点をもぎとった。投手の本盗という珍しいプレーで打線を勢いづけ、投げても1失点完投。大黒柱の活躍で7年ぶりの4強入り。初出場の清峰(長崎)は左腕有迫亮(3年)が日本文理(新潟)を完封し、県勢47年ぶりの準決勝進出を果たした。

 エイプリルフールの衝撃だ。「桑田2世」が鮮やかにホームベースを盗んだ。2回表2死三塁。7番仲谷が初球のボール球を見送った時、三塁走者の前田はひらめいた。秋田商の右腕佐藤洋は右サイドハンド。長身でモーションが大きい。「これはいけるんじゃないか」。2球目は90キロ変化球でストライク。「これは絶対にいける」。ひらめきは確信に変わる。相手投手がサインを確認している間に土を蹴って、本塁にダッシュした。スタンドのどよめき。佐藤洋はあわててプレートを外し、本塁へ送球。前田の度胸が勝り、先制点をもぎとった。

 敵も、味方でさえも予期しない出来事だった。投手のホームスチール。クロスプレーで負傷すれば、その後のマウンドに影響するが、前田は計算しない。

 「ケガとか考えない。投げるだけじゃなく、全部したいんです」。過去に本盗は記憶にない。昨秋の公式戦は盗塁なし。50メートルは6秒4と足が速いほうではない。それでも前田は本能で動いた。ベンチの藤原監督もフイを付かれた。「自分もバッテリーを見ていて、気が付かなかった」。しかし指揮官は忘れている。冬の練習で次の塁を狙うことを徹底させた。これもPL野球だ。

 前田は幼いころからスポーツの英才教育を施された。小学6年生までに器械体操、サッカー、空手、水泳を習った。中でも2歳から10年間励んだ水泳は背泳ぎが得意。西日本大会で優勝したこともある。「肩周りの筋肉が鍛えられたし、バネもできた」。抜群の運動神経が衝撃プレーを生んだ。

 打線も奮起し、3本のタイムリーで着実に点を加えた。前田はマウンドでも危なげない内容。9奪三振で1失点完投した。大会3試合の防御率は0・33だ。

 「野球をやっていて、1番楽しかった。気迫のあるいい相手だったし。次も勝つことだけを考えたい」。チームを7年ぶりの4強に導き、最高の笑顔を見せた。紫紺の大旗まであと2つ。「桑田2世」がラストスパートをかける。【田口真一郎】

[2006年4月2日9時2分 紙面から]

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