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井川放出へ、パドレスが交渉権

ヤンキース井川にトレードの可能性が急浮上した
ヤンキース井川にトレードの可能性が急浮上した

 【クリーブランド(米オハイオ州)10日(日本時間11日)=千葉修宏】ヤンキースが、井川慶投手(28)を放出する可能性が出てきた。サンディエゴ・パドレスへのトレード移籍を複数の米メディアが一斉に報じた。ヤンキースが同投手をウェーバーにかけ、パドレスが交渉権を獲得。現在、両軍は合意に向けた話し合いに入ったという。交渉期限は米東部時間の14日午後2時(日本時間15日午前3時)とみられる。ポスティング料約2600万ドル(約30億円)で阪神からヤンキース入りした井川だが、1年目から思わぬ事態に直面した。

 衝撃のニュースが飛び込んできた。ヤンキースがインディアンスと戦っているころ、全米ネット局FOXがホームページで第1報を伝え、スポーツ専門局ESPN、ニューヨークの地元紙も続いた。情報を総合すると、ヤンキースは井川のウエーバーを申請。他のア・リーグ球団とナ・リーグの下位球団から獲得希望はなくこの日、パドレスが交渉権を得たという。交渉期限は「営業日(土日をのぞく平日)の48時間以内」となっており、ESPNは「期限は火曜日の午後2時(日本時間15日午前3時)まで」と伝えた。

 両軍は自由にトレードできる7月31日以前にも井川を軸にした移籍交渉を行っていた。そのときはヤンキースが救援投手を要求して破談になった。その後、パドレスの台所事情に変化が起きた。投手陣はメジャーNO・1のチーム防御率3・53を誇るが、8月に入って不振のベテラン左腕デービッド・ウェルズ(44)に戦力外通告をした。現在、ナ・リーグでワイルドカード争いのトップに立っているが、ローテーションで、先発左腕にぽっかり穴があいた。他の先発4人は右腕のため、先発左腕の井川がターゲットになった。井川は11年まで年平均400万ドル(約4億8000万円)の契約を残すが、パドレスが負担する。

 両軍首脳陣は、慎重な言葉に終始した。パドレス首脳陣は沈黙。ヤンキース・ジロ広報部長は「キャッシュマンGMからは、まだ何も聞いていない。何か起こればキャッシュマンから連絡がある。そのときはお知らせする」と話すにとどまった。キャッシュマンGMはニューヨーク・タイムズ紙の取材に「(クレメンスの出場停止で先発がいない)火曜日に投げるかもしれない」と井川を「戦力」に強調。だがカーステンズの登板がほぼ内定している。松井も「コメントしようがないよ」と戸惑いの様子を見せた。

 絶好調のチーム状況もある。この日、井川の代わりにローテーションに入った21歳の若手ヒューズがインディアンス戦で6回4安打1失点と好投。2番手の同じく21歳の100マイル(約161キロ)右腕チェンバレンも2回無安打4三振と完ぺきな内容で快勝した。若手の成長が放出も辞さない状況を生んでいる。

 井川にすれば、移籍が実現しパドレスで先発に入ればプレーオフ出場の可能性もある。ただヤンキースも1年で放出したら、巨額ポスティング料2600万194ドル(約30億円)の費用回収は見込めない。ESPNは「あっさり井川を譲るとは思えない。移籍実現の可能性は五分五分」と、ヤンキースが交換要員で高望みするようだと、破談の可能性も伝えている。

[2007年8月12日9時33分 紙面から]

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