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インドネシア代表、天理大で強化合宿中

 野球のインドネシア代表が日本で強化合宿中だ。同国バリ島在住の日本人、野中寿人監督(46)に率いられたシンディ主将ら21人の選手たちが8日に来日。奈良県の天理大グラウンドで16日まで、その後東京へ移動して28日まで日本の野球を学ぶ。天理大や大商大などと8試合こなして実戦練習も。野中監督の下、驚きいっぱいのインドネシア野球はどこまで進化するだろうか。

 大きな掛け声が飛び交う。ランニング、体操、そしてキャッチボール。外野に広がった21人の選手たちを見て、驚いた。ナント全員が右利きなのだ。「宗教上の理由です。左手は不浄の手なので」と野中監督。21人中イスラム教徒20人、キリスト教徒が1人。驚きは、それだけではない。投手陣は7人の右腕だが、その内3人は使えないという。「先月の14日からラマダン(断食月)に入っていて、断食中なんですよ」。これでは力は出ない。もっとも日本キャンプの中盤からはラマダンも明けるので、7人は勢ぞろいしたのだが…。

 野中監督は日大三高から日大に進み、今はバリ島に妻のプトゥさんと住む。今年4月、代表監督を年末まで務める契約を結んだ。「月給は2500ドルといったところ」だそうだ。目標は12月の東アジアSEAゲーム。同国のスポーツ省から、銀メダル奪取を厳命されている。

 野球が深く根付いている国ではない。硬球を100個以上持ち込んだ時、空港で足止めを食った。「手榴弾と間違われて、ボールの中身を見せろと迫られた」(野中監督)。グラブも高額、野球の映像もない。それでも監督や同行している坂本伸之コーチ(46)、選手の気持ちは熱い。天理の地で送る野球漬けの日々を心底楽しむのは、明るい国民性ゆえだろうか。

 フリー打撃を見て少し安心した。1番のイプン右翼手、3番のトミ二塁手ら左打者はいたのだ。「日本の技術を持ち帰って、インドネシアの野球を変えます。身体能力は日本人より高いのですから」と野中監督。昨年までの「葬式みたいな」静かな練習を元気に声を出す和式? にまず変えた。帰国後もジャカルタで合宿生活を送り、年末の大会に備える。(編集委員=井関 真)

[2007年10月18日11時5分 紙面から]

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