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PL前田まさか6失点…力尽く/センバツ

清峰に完封負けを喫したPL前田はグラウンドに一礼し甲子園を去った(撮影・上田博志)
清峰に完封負けを喫したPL前田はグラウンドに一礼し甲子園を去った(撮影・上田博志)

<センバツ高校野球:清峰6-0PL学園>◇11日目◇3日◇甲子園◇準決勝

 快投を続けてきたPL学園(大阪)の前田健太投手(3年)が決勝戦を前に力尽きた。初出場の長崎・清峰打線につかまり、6失点で7回途中降板。打線も精彩を欠き、甲子園で同校5度目の完封を許した。投打で圧倒され、19年ぶりの決勝進出を逃した。横浜(神奈川)は岐阜城北に圧勝し、3年ぶりに決勝に進んだ。史上17校目の初出場初優勝か、西武松坂を擁した98年以来の春制覇か。決勝戦は4日午後0時半に行われる。

 前田は最後までマウンドに立てなかった。7回表に清峰の4番木原にダメ押しの2ランを浴びる。まさかの6失点。2番手三宅に後を託し、左翼のポジションに移った。放物線が着弾した左翼スタンドを見つめる目はさびしげだった。「踏ん張れば逆転できると思っていた。最後まで投げたかった…。実力不足です」。エースで4番の大黒柱が力負けを認めた。この時点でPL学園の春は終わった。

 準決勝までの3試合は防御率0・33。相手打者を圧倒し続けたが、この日は違った。序盤から重い雰囲気。2回表に直球は141キロを1球だけ計測したが、それ以外は130キロ台と球威がなかった。前日2日は雨天中止。集中力は持続できなかったのかもしれない。「疲れも少しあった。試合前から肩が重く、調子も良くなかった」。清峰に盗塁やバントで徹底的に揺さぶりをかけられ、テンポのいい投球は陰を潜めた。

 98年の再現は果たせなかった。PL学園の野球部の部室には先輩の激闘が収められたビデオテープが並ぶ。誰かが1本見始めると、知らぬ間にメンバー全員が集まっている。ビデオ集で1番人気が98年夏、横浜との延長17回の激闘だ。もちろん前田も何度も見た。「あんな試合がしたいから、決勝まで勝ち抜く」。大会前に掲げた目標まであと1歩のところで力尽きた。

 最終回に意地の中前打を放ったが、4番としての役割は果たせなかった。前田が投打に圧倒され、甲子園で同校5度目の完封負け。しかし「桑田2世」は潔かった。「自分の力は出した。悔いはない」。16奪三振やホームスチール。敗れはしたが、記憶に残るプレーを見せた。憧れの先輩に近づくためにも、暑い夏の甲子園で優勝投手の記録を残す。【田口真一郎】

[2006年4月4日9時32分 紙面から]


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