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看守が拘置中の暴力団組長に便宜図る

 大阪拘置所(大阪市都島区)の看守が拘置中の暴力団組長に便宜を図り、見返りに家族旅行の代金を肩代わりさせるなどした疑いが強まり、大阪府警捜査2課などは19日、収賄容疑で主任看守桑野勝彦容疑者(37=兵庫県宝塚市)、贈賄容疑で指定暴力団山口組系天野組組長金政基容疑者(66=大阪市阿倍野区)ら2人の計3人を逮捕した。家族旅行は東京ディズニーリゾート(TDR)から熱海温泉へ行く3泊4日の豪遊コース。代金は約20万円とされ、乗用車を受け取った疑いも持たれている

 19日早朝、兵庫県宝塚市の桑野容疑者の自宅前。任意同行を求めるために張り込んでいた捜査員の前に桑野容疑者が突然、現れた。金容疑者から譲り受けたとされる紺色の「マーク2」に乗り込むと、猛スピードで逃走。捜査車両や報道陣の車が追跡。約5分後、「ドーン」という衝突音とともに、車は中央分離帯の植え込みに突っ込んだ。ぼうぜんとした表情で降りてきた桑野容疑者はその場で任意同行された。

 調べなどによると、04年7月、桑野容疑者は金容疑者の部屋を希望通りを変更する便宜を図った見返りとして、東京ディズニーリゾート(TDR)や熱海温泉への3泊4日の家族旅行の代金約20万円を肩代わりさせた。家族旅行の初日と2日目は千葉県浦安市の高級リゾートホテルに滞在。3日目は静岡県熱海市の高級温泉旅館に宿泊。TDRに3日間入園できるパスポート引換券を事前に金容疑者の自宅で受け取っていた。

 同年10月には金容疑者の知人の女が使用していた国産乗用車「マーク2」を受け取った疑いが持たれている。乗用車は桑野容疑者が通勤に使っていた。また金容疑者は知人に「(看守に)100万円渡した」とも話したといい、現金の授受もあった疑いが浮上している。調べに対し桑野容疑者は容疑を大筋を認めているが、贈賄側の金容疑者らは否認しているという。

 同拘置所によると、桑野容疑者は18日、上司の処遇部長ら2人に「出所者から車を購入したことがある」と告白。部長が「ほかにないか」と聞いたところ「何もない」と答えたという。桑野容疑者は収容者の生活全般の面倒を見る「舎房担当」で、金容疑者も担当相手の1人だったという。勤続14年。数年前に舎房担当になり、勤務態度はまじめで、無断欠勤や遅刻はなかったという。

 金容疑者が大阪拘置所に入ったのは04年7月。インプラント治療で通院していた大阪府内の歯科医院の院長から金を脅し取ろうとしたとして恐喝未遂容疑などで逮捕され、起訴後に身柄を移され、約1カ月間拘置された。そこで担当となったのが桑野容疑者だった。大阪府警は、この1カ月間で2人がつながりを強め、癒着関係に発展したとみている。また桑野容疑者が金容疑者の手足となり、外部との連絡が取れるようにする通称「ハト行為」の役目を担った可能性もあるとみて調べている。

[2006年8月20日10時42分 紙面から]


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