中日石井、人生をあきらめない
僕の夢は「自分の人生をあきらめないこと」−。先天性の感音声難聴というハンディを抱えながら中日にドラフト6巡目で入団した石井裕也投手(23=三菱重工横浜クラブ)。初めてのキャンプも無事に第1クールを終えた。不安を抱えながらも飛び込んだプロ野球の世界で石井がどう過ごし、何を感じているか。本人に聞いた。【取材・構成=鈴木忠平】
−−初めて経験するキャンプ。今までとの違いは
石井「1番違うのは練習時間です。社会人時代は長くても4時間。プロはその倍くらい。でも団体行動で指示が分からず、戸惑うことはありません。社会人でも経験してきましたから」。
−−キャンプ初日に川上や、岩瀬ら今まであこがれだった投手とともにブルペンに入った
石井「自分は野球の時は周囲をまったく気にしないんです。きょろきょろしないからだれが投げているとか気にならない。周囲を気にすると自分ペースでなくなり、不安にもなるから」。
−−周囲は難聴を抱えながらプロ入りしたことに注目、活躍を期待している
石井「それはうれしいですね。メールや、手紙が全国から来て励みになります。でも僕は自分が活躍したから周囲の人に勇気を与えるとか、野球人気が出るとは思っていません。僕が野球をするのは自分のため。ビジネスのためなんです」。
−−同じハンディを抱える人が石井選手を見てプロを目指すかもしれない
石井「将来、目標とされる選手にはなりたい。ただそれだけではない。自分のためにやりたいです」。
−−落合監督、コーチ陣とのコミュニケーションは
石井「世間話はしましたが、野球の話はしていません。ミーティングで何を言っているかは理解できますし、監督やコーチも僕のことをわかってくれていると思います」。
−−グラウンド以外の生活で不便は
石井「ないですね。新人選手と会話もします。練習が終わったら部屋に戻ってスポーツニュースを見て情報収集。インターネットでスポーツ新聞もチェックします。日刊スポーツとか(笑)」。
−−横浜の両親に連絡は
石井「両親からは携帯電話にメールが来ますよ。心配していると思います。でも自分からは連絡を取りません。これから1人でやらないといけないですから」。
−−生涯の夢は
石井「僕の夢は自分の人生をあきらめないこと。最近、ホテルで同じ部屋の樋口さんが子供さんの写真を見せてくれます。家族の話も聞きました。すごく愛情を持っていると感じた。僕も子供が大好き。だから普通に結婚してたくさんの子供がほしい。その子たちに感動を与えてあげたい。でもまずは今年開幕1軍に入れるよう頑張ります」。
[2005/2/5/09:51 紙面から]
写真=落合監督、森投手コーチに見守られ投球練習を行う石井
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