京都外大西、“以心伝心”4強/高校野球
<全国高校野球選手権:京都外大西9−1樟南>◇12日目◇17日◇甲子園◇準々決勝
これも三原マジックだ。ベテラン三原新二郎監督(65)率いる京都外大西が樟南(鹿児島)に大勝し、同校初の夏4強に進出した。奇策や大胆な采配で、三原監督は「魔術師」と呼ばれるが、この日は伸び伸び采配で選手に潜在能力を発揮させた。5回一挙7点の猛攻で逆転に成功。「1年生魔神」こと本田拓人は、史上初の救援での4連勝を飾った。19日の準決勝で、日大三(西東京)−宇部商(山口)の勝者と対戦する。
試合終了後、ベンチ裏で西下文也主将(3年)から今夏4つ目のウイニングボールを手渡された三原監督は、にっこり笑って言った。「あと2つな」「はい、頑張ります」。樟南・枦山監督との合わせて通算50勝の名将対決を制してVへマジック2。自身も広陵(広島)を率いて準優勝した67年夏以来、38年ぶりの4強進出だ。
圧巻は先制された直後の5回だった。1死二塁から5連打と犠飛で5点を奪い逆転。なおも2死二塁の場面で、走者の林一茂外野手(2年)がかき回した。まずは50メートル走6秒1の俊足で三盗。打者西下が四球を選んで2死一、三塁とすると、ここで三原イズムの真骨頂を見せた。一塁走者西下がスタートを切ると、送球が二塁に渡るのを見計らって本塁へ突入。見事本盗を成功させた。この回一挙7点。三原監督も「すごい集中力だった」と目を見張った。
「歓声で(相手の)声が通ってなかったし、行けると思った。監督にいつも『足で攻めろ』と言われているんで」と林は胸を張った。チームがこの日決めた2つの重盗は、実はいずれもノーサイン。今年の「三原マジック」の主役は選手たち自身だ。
チームに考える野球が浸透している。昨秋の新チーム結成後は毎試合、辻貴大副主将(3年)が4字熟語でテーマを設定。試合開始直前の円陣で発表する。甲子園のここまで3試合は「無我夢中」「一心不乱」「一戦必勝」で勝ち抜いてきた。この日のテーマは「以心伝心」。まさにこの言葉通り、サインなしでも恩師の教えを忠実に実行した。
有終Vへ向け、三原監督の言葉にも力が入る。「選手たちは一戦一戦成長している。ここまで来たら、最後まで残りたい」。名将が育てた最後の教え子たちの前に「全国制覇」の4文字がはっきりと見えてきた。【太田尚樹】
[2005/8/18/09:27 紙面から]
写真=初の準決勝に駒を進めた京都外大西ナインは、晴れやかな表情で校歌を歌う
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