京都外大西、初の決勝進出/高校野球
<全国高校野球選手権>◇14日目◇19日◇甲子園◇準決勝
京都外大西が初の決勝に進出した。宇部商(山口)の左腕・好永貴雄(3年)対策に初めて先発起用された上田永力(のりちか)内野手(3年)が、4安打4打点と大活躍。1年生ながら好救援を続ける本田拓人は5勝目を挙げ、今大会でユニホームを脱ぐ三原新二郎監督(65)に5個目のウイニングボールを贈った。激戦の末に大阪桐蔭を下し、57年ぶりの夏連覇を目指す駒大苫小牧と決勝戦で対決する。決勝は、20日午後1時から行われる。
執念が通じた。逆転された直後の9回。無死一、三塁で打球は力なく転がり、三塁走者寺本が挟まれる。だが、あきらめなかった。三本間を逃げ回って三塁へ帰塁すると、相手投手好永が一塁へ悪送球。2人が生還し、土壇場で逆転した。「こんなことがあるのか…」。監督歴40年の三原監督も目を疑った。
続く上田が試合を決めた。直球をセンターへ弾き返し、貴重な1点を追加した。「直球だけを狙っていた。とにかくうれしい」。この日は5打数4安打の4打点。左腕の好永対策で今大会初めてスタメン起用した監督の期待に見事、応えた。
昨年秋までエースだった上田は、今年2月に右ひじの軟骨を負傷。2カ月間はボールすら投げられない状態だった。一塁手へのコンバートを余儀なくされ、春を前にしてチームにエースがいなくなった。「もう甲子園は無理。オレのせいや」。1度はあきらめかけた夢の舞台に導いてくれたのが、本田をはじめとする仲間たちだった。
ベンチに入れなかった同級生15人も、データ分析班として夜を徹してチームに貢献している。「監督やみんなに、何とか恩返ししたかった」。この日は8失点と苦しんだ1年生守護神とチームを、元エースがバットで救った。
今夏で勇退の“魔術師”三原監督も「チームワークと絆(きずな)の勝利。私は何もすることがなかった」と脱帽した一丸の勝利。「オレに8月20日までユニホームを着させてくれ」。府大会前、選手たちに冗談半分で言った言葉が今、現実になった。名将の最後にして最高のチームが、頂点に挑む。【太田尚樹】
[2005/8/20/10:38 紙面から]
写真=9回の大逆転で決勝戦進出を決めた京都外大西、西下文也主将(中央)からそっとウイニングボールを受け取る三原新二郎監督(左)
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