広島野村&山本監督“涙のラストゲーム”
<横浜4−2広島>◇12日◇広島
真っ赤に染まった広島市民球場の中心で、赤ヘルを支え続けた2人の男は抱き合った。こみ上げるものをこらえ切れず、ともに涙した。ミスター赤ヘル・山本浩二監督とチームリーダー野村謙二郎。熱い思い出を残して去り行く2人の抱擁を、今季最多2万9777人の声援がさらに包んだ。
「1番、ショート、野村」。最高の花道だった。前回優勝の91年には聞き慣れたフレーズも、最後のコールだった。守備では華麗にゴロをさばき、打っては6回に左中間二塁打。8回には中堅の守備にもついた。常に闘志を全面に出してチームをけん引し続けたリーダーが、最後も全力プレーで見せた。
「自分では目いっぱいやったつもり。センターは緊張したけどね。勝ちたかったけど、完全燃焼した」
試合終了後、グラウンドの中心で野村はマイクを握った。満員の本拠地を見渡し、メッセージを伝えた。「今日、球場に集まってくれている子供たち! 野球はいいもんだぞ! 野球は楽しいぞ!」。野球に育てられ、野球に苦しみ、野球を楽しんだからこそ、どうしても伝えたいことだった。ナインが次から次へと花を持って駆け寄り、最後は山本監督と抱き合った。
「謙二郎にはいろいろな思い出があるからな…。なんとも言えんね…」。最後の指揮を執った山本監督は言葉を詰まらせた。初めて監督に就任した89年のドラフト1位が野村。「一緒に辞める形になったもんな…」。不思議な縁とともに、広島の2人のスターがユニホームを脱いだ。【伊嶋健一郎】
[2005/10/13/09:32 紙面から]
写真=引退試合を終え、山本監督(右)のねぎらいの言葉に涙ぐむ野村
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