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<監督の椅子>荻上直子監督(34)

「かもめ食堂」 (25日公開)

 失礼ながら、女子大生かと思ってしまった。それほど若くて軽やかな女性が、男社会の撮影現場を仕切る映画監督だなんて…これこそ日本映画の新しい波か。「バーバー吉野」がベルリン映画祭で高く評価された荻上直子監督。「かもめ食堂」は第3作である。

写真=監督第3作「かもめ食堂」を撮った荻上直子監督

 フィンランドのヘルシンキで、レストランならぬおにぎりを中心とする食堂を開いた女性(小林聡美)、手伝う旅人(片桐はいり、もたいまさこ)の3人の物語。大した事件は何も起こらない。だが、透き通った風土の中、ひまな食堂に緩やかに流れる時間が心地よい、素敵な映画になった。

 「外国で映画を撮りたい! と思ってプロデューサーと相談したんです。企画を(原作の)群ようこさんに話して、小説に書き上げてもらった。さりげない中にも、凛(りん)とした女性を描きたかった」という。狙いどおり、夢を実現する主人公をはじめ、登場人物の伸びやかさが見る者を元気付けてくれる。

 千葉大工学部で写真を学んだが「動く写真の方が面白い」と南カリフォルニア大の映画学科へ。浴びるように映画をみてハマった。大学の先輩ルーカスやゼメキスが米映画を変えたように、女子大生のような監督が日本映画を変えるかもしれない。


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