G大阪実好J史上最も遅い1発/天皇杯
<天皇杯:G大阪3―1鳥栖>◇13日◇4回戦◇鳥栖
G大阪が「最もゴールから遠い男」の決勝点で天皇杯制覇へ発進した。J2鳥栖戦の前半25分、DF実好礼忠(32)が左CKを左足で流し込み先制。プロ10年目、Jリーグ史上最も遅い公式戦261試合目の初ゴールで3―1の勝利に導いた。
晩秋の佐賀で起こった「珍事」が、G大阪を救った。J2鳥栖との天皇杯初戦。日本代表の宮本、遠藤を温存し司令塔二川も故障で欠く苦しい布陣で攻めあぐねていた前半25分、貴重な先制弾を決めたのは、最もゴールとは縁遠い男・実好だった。
左CKが逆サイドに流れ、DFシジクレイの頭上を越えると、実好がそのまま左足で流し込んだ。まさか、まさかのプロ1号。95年のJリーグ7月8日V川崎戦(万博)で初出場して以来、公式戦261試合目で、うれし恥ずかしの初体験だ。「いや〜、ビックリした。初ですからねえ」。95年にG大阪入りして10年目。Jリーグ史上、最も遅い初ゴールに満面の笑みを浮かべた。
西野監督が「ほとんど鳥栖のペース。物足りない内容」と振り返った苦戦を勝利に導いた価値ある1発となったが、守備の職人は試合のことも忘れていた。「チームのことはいいんですよ。僕のゴールがうれしい」。11年越しの1発の余韻に浸った。
予感はあった。「最近(得点に)近づいていたんです。そろそろかな、と昨日の練習でも話していたところだった」。日本代表の宮本をボランチに追いやるほど安定した3バックの一角として定位置を確保。これまでは味方のCK時にも攻撃参加しなかったが、第2Sからは逆サイドから飛び込む役に指名されていた。「今までで一番惜しかったのは、どフリーで頭をこすったやつ」。意外にも記念ゴールは左足だった。
今季、日本協会の指導者ライセンスのB級を取得。将来も見据えるが「引退までにはと思っていた。1点ぐらい取らないと、シュートを教えられないでしょ」。リーグ戦200試合以上出場のフィールド選手で無得点は新潟MF桑原(234試合=J2含む)と204試合の実好だけ。次はリーグ戦で、この日の快感を思い出す。 【西尾雅治】
◆最スローゴール G大阪DF実好が261試合目にして初ゴールを決めた。入団10年目という遅咲きの1点だ。内訳を見ると、Jリーグ204試合、ナビスコ杯39試合、天皇杯18試合に出場している。なお実好に続いているのが、現在201試合無得点の新潟DF梅山、185試合のC大阪DF大森、175試合の名古屋DF大森。梅山はJFL時代(92〜95、98年)の88試合を含めると、サッカー人生289試合無得点。
★実好礼忠(さねよし・のりただ)アラカルト
◆略歴 1972年(昭47)10月19日、愛媛県生まれ。南宇和高3年時に全国選手権優勝。立命大から95年にG大阪入り。対人プレーに強いストッパー。4人家族。178センチ、72キロ。
◆実は得点あり 準公式戦扱いの96年3月2日プレシーズンマッチC大阪戦(長居2)の前半17分、ヘッドで先制点を決める。
◆オウンゴール(OG)なら 公式戦無得点だったが「OGなら2、3点は決めているんですが」が口癖だった。
◆ギャンブラー 独身時代、100円の馬券を購入してウン十万円に変身。競馬は独自の分析力で穴馬を探す。
◆馬好き興じて 北海道にある名馬サンデーサイレンスの墓を見舞い、最近までは大阪・豊中市内の乗馬センターでライセンス取得に励んでいた。
[2004/11/14/12:28 紙面から]
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