大久保、遅刻寸前…9日先発あわやお預け
【パルマデマジョルカ(スペイン)6日=益田一弘、伊藤綱将通信員】マジョルカFW大久保嘉人(22)が、危機一髪で大失態を免れた。5日午後の練習開始時間を30分も勘違い。練習場に開始7分前に到着し大あわてで着替え、グラウンドに飛び出しギリギリセーフ。エクトル・クペル監督(48)は遅刻者を試合に使わないほど規律に厳しい性格。先発濃厚な9日デポルティボ戦でのデビューを棒に振るところだった。紅白戦ではゴールを決め好調をアピールした。
昼下がりの午後3時53分。大久保は、練習場に向かう車をノンビリ運転していた。ふとピッチを見るとクペル監督が立っている。「クペル、早いなあ。いつもこんなに早かったっけ?」。練習は4時半からで30分以上あるはず。嫌な予感が走った。
ロッカー室に入ってみて仰天した。他の選手はすでに着替えを済ませて、ぞろぞろと外に向かっているではないか。実は昼食の間に開始が4時に変更されていたのだ。青ざめた大久保はドリブル同様の高速スピードで着替えをスタート。仲間には「トランキーロ、トランキーロ(落ち着け)」とはやし立てられた。
午後3時57分。大久保は、パンツのひもを結びながら最後にロッカー室を飛び出した。先を歩く仲間たちに、全力疾走で追いついて「ビエン、ビエン(いいぞ)」と喝采を浴びた。大久保は「マジでよかった。マジでよかった。マジでよかった」と3度繰り返した。
無理もない。クペル監督は規律に非常に厳しい。昨年12月19日のオサスナ戦では不動のレギュラーのMFファリノスが遅刻を理由にベンチから外された。クリスマス休暇中に体重が1キロ増えれば罰金。練習の遅刻も当然罰金。もし遅刻していれば1・9先発デビューをフイにしかねない致命的な大減点になるところだった。
日本と違って、スペインでは練習時間や日程の変更は日常茶飯事。「3人ぐらいに4時半と確認したんだけど…。本当はゆっくり出ようかなと思っていたけど、早めに行っておいてよかった」。プレーでは着実にアピールしている大久保だけに、つまらないミスを逃れほっと胸をなでおろした。
[2005/1/7/09:50 紙面から]
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