藍、記録的1位通過へ/米女子ゴルフ予選会
<米女子プロゴルフ最終予選会>◇4日目◇3日◇米フロリダ州LPGAインターナショナル・レジェンズC(6461ヤード、パー72)、チャンピオンズC(6393ヤード、パー72)◇賞金総額5万ドル(約600万円)
【デイトナビーチ=木村有三】米女子ツアーに史上最強のルーキーが誕生する。宮里藍(20=サントリー)が66で回り通算17アンダー、2位との差を「12打」まで広げた。安定したパットでリズムを作ると16番のチップインなど6バーディー、ボギーなし。米最終予選会史上最多アンダー&最大差での1位通過へ、ただ1人4日連続のアンダーパーで堂々と王手をかけた。諸見里しのぶ(19)は72で回り通算イーブンの15位。東尾理子(30)は77と崩れ、通算11オーバーで最終ラウンドに進めなかった。
少しだけ背中をのけぞった後、宮里はおどけるように笑った。16番パー4、ピンまで残り20ヤードの第3打。2バウンド目でスピンが効いた球は、吸い寄せられるようにカップに消えた。「ウォー! グレート!」。20歳の小さな日本人が見せた技に、地元ギャラリーも思わず絶叫。「何の変哲もない普通のアプローチ。入れにいきました」。サラリとした口調で言ってのけた。
ただ1人、異次元の世界を走っている。この日は6バーディー、ボギーなしの66。ただ1人4日連続アンダーパーで、スコアも右肩上がりの通算17アンダー。2位との差は、12打まで広がった。過去の米最終予選会の1位通過選手最多アンダーは「15」で、2位との最大差は「9」。いずれも上回るペースに「うーん、うーん」と首を傾げた後「頑張ってる。頑張ってる」と2度うなずいた。
好調の最大の要因はパットだ。出だしの1、2番でともに1〜2メートルの微妙なパーパットを決め、8番では6メートルを読みきった。しっかり頭を残し確実に芯でヒットするストローク。宮里は、そのコツを技術じゃなく「気持ち」と説明する。小学生のころから夢見た米ツアーへの強い思い。それは、グリーンを攻略する抜群の集中力だけではなく、体調維持にもつながっている。帯同する鎌田トレーナーは「シーズン終盤だから腰の張りなど疲れは全身に出てきている。その中で乗り切れているのは気力、それだけですよ」と証言。夢にかける気持ちが、宮里のすべてのパワーの源だ。
ホールアウト後、外国人報道陣にも囲まれた宮里は楽しそうに言った。「日本じゃ帽子やサングラスをかけなくちゃ出掛けられないけど、ここは何もしなくていい」。ショッピングも食事も人目を気にせず行けるアメリカで、戦う権利をつかむ争いもあと1日で終わる。「もうトップというより、ひとつでも多くバーディーを取ること。伸ばせば伸ばすだけ成長できると思う。これも通過点ですから」。まだ先にある夢に向けてさらに大きな自信をつかむために、宮里は90ホール目まで攻め続ける。
[2005/12/5/09:37 紙面から]
写真=4日目、18番でバーディーを決め観衆の拍手に応える宮里
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