逆転へ、織田決めた!3回転半/フィギュア
男子ショートプログラム(SP)で、戦国武将・織田信長の末裔(まつえい)の織田信成(18=関大)がトップに立った。1枠しかない五輪選考が懸かる大舞台で、自己ベストの79・90点をマーク。中でもトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を完ぺきに決め、対照的に失敗したライバルの高橋大輔(19)を5・38点上回った。選考ポイントは高橋に88点差の2位で後れを取るが、今日24日のフリーで逆転五輪切符を奪う。
織田の目に、うっすら涙がにじんでいた。「汗ですよ…」と最初はごまかしたが、観念したように笑った。「ちょっとうれし泣きです」。優勝したNHK杯で出した自己ベストを5・75点、ライバルの高橋を5・38点上回った。後ろにまだ12選手も控えていたが、トップを確信できた。コーチで母親の憲子さんと力強く握手を交わした。
最初のトリプルアクセルがすべてだった。ロッシーニ作曲「フィガロの結婚・セビリアの理髪師」の高笑いで始まったSP。右足でタメをつくった体が勢いよく宙を回り、鮮やかに舞い降りた。「平常心で跳ぼうと集中した。成功することを80%想定して、落ち着かせた」。気持ちに勢いが生まれると、続く3回転の連続ジャンプも決めた。最後のスピンでは終わる前から拍手が飛び交った。
織田信長ばりの勝負強さだった。この日朝の公式練習では、4度の挑戦はいずれも豪快に転んでいた。だがスケートの練習をしながらも、学校のテストで90点以上を取る「一発勝負には強い」という勝負運が、練習で成功させながら本番で失敗した高橋との明暗を分けさせた。逆境に、見事打ち勝った。
トリノ五輪選考ポイントでリードされていた高橋を抑えた。フリーでは難度の高い3−3−3回転の連続ジャンプに挑む。「(フリーも)絶対に決める。今の順位で五輪に行く。日本で一番のスケーターになりたい」と力強く言い切った。10月のGPシリーズから続いた争いは明日、わずか4分50秒で終結する。逆転五輪へ、織田が勝負をかける。【今村健人】
[2005/12/24/09:01 紙面から]
写真=男子SPで3回転ジャンプを決めた織田
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