引退か現役続行か、揺れる徳山
WBC世界スーパーフライ級王者の徳山昌守(31=金沢)が進退を保留した。挑戦者ホセ・ナバーロとの初防衛戦から一夜明けた2月28日、大阪市内の金沢ジムで会見。「気持ちとしては9割がた引退」としながらも金沢英雄会長の説得を受け、結論を先送りにした。勝利直後のリングで明言した同階級の王座返上も白紙に戻した。決断するめどを最長3カ月として、今後の進路を決める「放牧期間」に入る。
引退か、現役続行か。それが問題だ。徳山が悩めるハムレットになった。進退を明らかにするはずだった会見でも、王者の口から結論は出なかった。
「リングの上で(スーパーフライ級卒業と)言ったのは、卒業という言葉を使った引退のつもりだった。ただ今朝、(金沢)会長には今すぐ結果を出すなと言われて…。でも自分では引退の気持ちが強い。今の状態なら9割がた引退です」。公言した同級王座返上も「どうなるかわからない」と白紙に戻した。
「1度きりの人生。いろんなことに挑戦したい」と引退後について話したが、100%踏み切れないのも事実。慰留した金沢会長は「まだまだやれる。時間をかけて考えろ、ということ」と結論を下すまで最長3カ月の猶予期間を設けた。
思い悩む要素は2つある。まず減量。通常64キロの体を12キロも落とす過酷な苦しみだ。そして「やり尽くしちゃた感」(徳山)。リベンジの思いで臨んだ昨年7月川嶋戦のように1戦ごとに発奮材料が必要になっていた。25歳で世界奪取し、世界戦は日本ジム所属選手単独3位の11勝を挙げている。31歳の王者が再びリングに立つには、新たなモチベーションが必要となる。
「もし続けるとしたら長谷川や、スーパーフライ級での統一戦を含め、いろんな可能性を探したい」。1階級上のWBCバンタム級王者長谷川への挑戦も、徳山の選択肢に入っている。「続けるかどうかの放牧期間にしたい。温泉に入ったりゆっくりしたい」。時間をかけて、今後の方向性を模索する。【大池和幸】
[2006/3/1/10:20 紙面から]
写真=金沢会長(左)との会見で徳山は、引退か現役続行かで揺れる複雑な胸中を語った
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