阪神8巡目“虎の子”辻本に専属広報支援
ワンダーボーイを守れ! 阪神はドラフト8巡目で指名した辻本賢人投手(15=米カリフォルニア州マタデーハイスクール)に対し、フロント、コーチ、選手の三位一体で大きく育成する方針を18日、固めた。(1)取材攻勢から守るための“専属広報”の設置(2)年齢を考慮した特別練習メニューの検討(3)選手サイドの社会人教育によるバックアップ…だ。細心の注意を払い、ドラフト史上最年少で指名した責務を果たす。
“金の卵”を潰すな―。ドラフト史上最年少指名から一夜明け、ワイドショーや報道番組など全国ネットで15歳右腕が猛烈に取り上げられた。だがこれは辻本フィーバーの幕開けに過ぎない。人気球団への入団で否が応でも、無数の視線にさらされることになる。過度の重圧に押しつぶされないように、球団側は環境整備の検討を開始した。
「取材の応対が大変だったみたいですね。しっかり広報体制を敷いて、サポートしたい」。野崎球団社長は“専属広報”の設置を示唆した。ドラフト当日の17日は、報道陣約100人が兵庫・芦屋市の自宅に詰め掛けた。辻本はマタデーハイスクール休学中の身分のため、両親が取材対応のセッティングに追われた。今後は当然、阪神が窓口となるが「海千山千の取材攻勢は避けたい」(同社長)。15歳という年齢を配慮し、慎重に対応する方針だ。
育成プランも特別バージョンを用意する。成長過程を考慮し、杉田トレーナーが提案した。「大人の関節になる途中で成長痛もあるだろう。そこでムチャをすると関節が変形する場合もある。トレーニングコーチと話すことになるが、いきなり一緒はアカン。変化球も覚えないほうがいい。1年はかかる」。別メニューでの体作りに関しては、獲得指令を出した星野SDも検討課題に挙げているという。
岡田監督は「特別扱いしない」と話すが、やはりプロの水に慣れるまでの離陸期間は必要。16歳9カ月の史上最年少勝利の更新に期待がかかるが、「焦りは厳禁」がコーチ陣の合言葉になる。
選手側も前代未聞のルーキーを大歓迎で迎え入れる。選手会長の今岡は「15歳でも力がある、ということ。見てみるのが楽しみだ」と笑顔を見せた。桧山は先輩社会人としての全面バックアップを誓った。「全員が先輩だからね。みんなで曲がった方向に進まないように、模範にならないといけない。いい手本を示したい」。
15歳の右腕がどう成長していくか。今回の指名の成功が次なるワンダーボーイの誕生につながっていく。球団も責任の重さを十分に分かっている。フロント、コーチ、選手が三位一体で辻本を空へ羽ばたかせる。【田口真一郎】
○…この日の辻本は兵庫・芦屋市の自宅で静養した。球団側と話し合い、ドラフト翌日から3日間の取材シャットアウトを決めた。「ドラフト前からナーバスになっている。それに関係者へのあいさつ回りや家族で話をする時間がほしい」。父・仁史さん(44)はそう説明した。21日以降に、球団側の指名あいさつを受け、仮契約の流れとなる。
[2004/11/19/12:05 紙面から]
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