金本兄貴「秀太斬り!」怒りのカ〜ツ
兄貴の激辛エールだ。「清原さんとは違う! プロならグダグダ言うな!」。4日、阪神金本知憲外野手(36)が、契約更改の席上でトレード志願を口にした田中秀太内野手(27)に兄貴流のカツを入れた。広島市内のホテルで広島新井の結婚披露宴に出席後、自軍の後輩を一喝。「かわいいと思うから言う。激励なんだ」。秀太を始め、出番に恵まれない若手の不満を脳裏に描きながら、考えの甘さとプロの世界の厳しさを熱く語った。
後輩を思う熱い気持ちが、金本の口調をヒートアップさせた。広島時代の後輩・新井の披露宴に出席後、自チーム阪神の後輩・秀太に気持ちは飛んだ。次から次へと出る兄貴ならではの“エール”だった。
「働き場所を見つけるのは大事だけど、グラウンドで、プレーでモノを言ってほしい。かわいいと思うから言うんだ。激励なんだ。トレードで出て、違うチームで見返すんじゃなく、今いるチームでチャンスをつかみ取ってから言え。100人いたら、100人に認められる実力をつけろ」。
秀太は1日の契約更改の席上で、“監督批判”とも取れる言葉とトレード志願を口にした。直接の相談はないとはいえ、もちろん金本の耳にも届いていた。秀太の気持ちは痛いほどわかる。だが兄貴にとってその考えは“甘え”だった。
「プロならグダグダ言うな。競争に負けたから(他球団に)出してと言ってるように聞こえる。まずやるべきことをやってほしい。そういうことを言う前に、もっとプレーを磨くべき。誰にも文句を言わさないようにね」。
金本の脳裏には、尊敬する清原の騒動があった。巨人のユニホームを脱ぐことまで考えながら、最終的には残留し、ファンに恩返しすることを誓った姿。それに引き換え、自軍の若手は情けなく映った。秀太に限らず、藤本、沖原ら、新人鳥谷の加入で出番の減った選手から、少なからず不満の声が聞かれることが腹立たしかった。
「清原さんは、いろんなリベンジの仕方がある中で、あの人なりの結論を出した。残って、ファンのために見返すと。それも道かなと思う。でも彼ら(秀太ら)を見て思ったのは“土俵”が違うんだと。実力をつけて(トレードなど)言うなら、出るべき。今年1年、石にかじりついて泥んこになるまで練習したのか? そういうことをやってから言わないと」。
金本自身、広島時代はすぐにレギュラーをつかんだわけではない。肉体を徹底的に磨きあげ、練習の虫となって結果を出し、はい上がった。秀太や若手にもまだやるべきことがあると思うからこそ言った。「批判じゃない。激励なんだ」。兄貴の魂のエールは、重く、そして優しく響いた。【伊嶋健一郎】
[2004/12/5/09:26 紙面から]
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