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藪、虎に決別!極秘トレでメジャー待つ

 阪神からFA宣言した藪恵壹投手(36)が、タテジマとの決別を宣言した。5日は大阪市内のジムで極秘トレーニング。いつでもメジャー関係者に披露できるように、投球練習を開始している藪は「阪神に戻ることはもうないでしょう」と言い切った。入団が有力視されるエンゼルスなどから、正式オファーはまだ届いていない。だが、藪は「いい話があると思う」とメジャー挑戦に自信たっぷりだった。

 極秘トレの場は、大阪市内が360度一望できるビルの屋上だった。特設ブルペンに立った藪は捕手役を座らせ、勢いよくストレートを投げ込んだ。師走の寒空に響き渡る乾いた捕球音。フォーク、カットボール、そしてチェンジアッも交え、本番さながらに40球を投げ込んだ。この時期ブルペン入りしている虎投は、だれもいない。しかもプロ野球選手がビルの屋上で…。だが藪には、メジャー挑戦という大きな目標があった。

 「12月に投げるのは初めてだと思う。でも新しい舞台に挑戦するんだからね。もし向こう(メジャー球団)が“投げて見せてくれ”と言われた時に、“やってません”は通用しない。いつでも投げられるよう準備はしておきたいからね」。

 米国アリゾナでの自主トレから帰国して約3週間。藪はその時の現地パートナーだった権田康徳トレーナー(33)とともに、大阪市内のジムでこっそりとトレーニングを積んでいた。2階部分にエクササイズルームがあり、屋上にはブルペンがある豪華施設。史上最年少の15歳で阪神入りした辻本もここで投げ、プロへの体を鍛え上げた“とっておきの野球道場”だ。でもなぜ、甲子園の新室内や鳴尾浜ではないのか? そこに藪の一大覚悟があった。

 「阪神は育ててもらったし、1番好きな球団だよ。でも今度は夢を追いかけさせて欲しいんだ。寂しいけど阪神に戻ることはもうないでしょう。だから絶対最低でも5、6年は向こうで投げるつもり。メジャーで引退? オフコース!!」。

 94年に逆指名制第1号で阪神入りしてから11年。藪はファンとの別れを惜しみつつ、タテジマとの別れを宣言した。そしてジョンソンやクレメンスのように40歳を超えても投げ続け、「大リーガー・YABU」として引退する決意を明かした。決してビッグマウスでない男がそこまで言うからには、手ごたえがある。ヤンキース松井と同じ代理人テレム氏とは密に連絡。メジャーから正式オファーをもらえる確信があるからこその「決別宣言」だった。

 「ウインターミーティング(現地時間9日〜12日)が終わるまでは何もないと思うけど、きっといい話があると思うよ」。現時点では相思相愛のエンゼルス入りが有力だが、メッツも好条件で猛烈な巻き返しに出ている。「エンゼルス? どうだろうねえ」。藪はニヤリと笑ったが、権田トレーナーが米国で所属するアリゾナのジムがエ軍のリハビリ施設も兼務しているという強力パイプもある。

 「もしエンゼルスならそこでメディカルチェックを受けて、契約ということになるみたいだけどね」。希望通りエ軍から正式オファーがくれば、両手を挙げて万々歳だ。

 今後も国内でトレーニングを積みながら、代理人のテレム氏と連絡を取り合う。メジャーからの正式オファーが越年する可能性もあるが、問題にしていない。「期待と不安? 今は期待しかないよ」。吉報を待つ男は、どこまでも自信にあふれていた。【松井清員】

 ◆藪と一問一答

 −メジャー流の短時間で密度の濃い練習をしている

 藪「今年はいいオフを過ごせてる。トレーナーの権田君が手伝ってくれる本場仕込みのトレーニング方法のお陰でね。ほら、すごく体が大きくなったでしょ」。

 −期待と不安は?

 藪「今は期待しかないよ。野球に対する不安は全然ない。ただ不安があるとすれば、一緒に行く家族が向こうの環境に適応できるかということぐらいかな」。

 −希望する球団は?

 藪「日本人選手のいないところがいいよね。理由? 一緒のチームで戦うより、(松井やイチローら)日本人と対戦した方が、見てる方も面白いでしょ」。

 −エンゼルス入りが有力視されているが?

 藪「どうなんだろうねえ(笑)。向こうのウインターミーティングが終わって、そこからだと思う。でも(抑えの)パーシバルが抜けたのは大きいよね」。

 −先発、中継ぎのこだわりは?

 藪「待遇は先発の方がいいと思うけど、こだわってない。中継ぎでも向こうは球数制限とかもしっかりやってるからね。最初の1年は中継ぎで「じゃあお前先発やってみろ」ってのが1番いいんじゃないかな」。

[2004/12/6/09:26 紙面から]


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