阪神井川、米大移籍「期間限定」直訴
ついに“井川問題”がぼっ発した。阪神井川慶投手(25)は27日、西宮市の球団事務所で代理人を伴なって第1回契約更改交渉に臨み、今オフにもポスティングシステム(入札制度)による米メジャー挑戦の希望を球団に正式に申し入れた。井川がフリーエージェント(FA)権を取得するのは最短で09年。井川は「5年は待てない。旬な時に行きたい」と話した。交渉に出席した野崎勝義球団社長(62)ら球団はこれを明確に拒否。井川側としては渡米後、再び日本球界に復帰する期間限定の移籍要望だったことを明らかになったが話し合いは決裂した。
井川の視線はやはり、メジャーしか向いていなかった。注目された約2時間の契約更改で、ポスティングによる今オフのメジャー移籍の1点だけを主張した。会見では強張った表情で、気持ちに揺らぎがないことを繰り返した。
「ポスティングで、メジャーにできるだけ早く行きたいと伝えた。気持ちをストレートに伝えた。抑えられない気持ちはあるんで、何とかかなえたい」。
メジャー意欲が芽生えたのは「プロに入ってすぐ」と明かした。秘めていた思いはエースとなり、オフの日米野球を経験することで膨らんだ。昨オフの契約交渉、そして今年の下交渉で、代理人の橋岡弁護士を通じて球団にポスティングを申し入れてきた。この日の対面交渉で初めて、自分の口から球団首脳に告げた。思いつきやムードに流されたものでないことを、直接交渉の席で訴えた。
球団側はかねてから、FA権取得以前の海外移籍は認めない方針を示していた。この日の交渉でも念を押した。井川も理解は示したが、権利を得るまでの5年間は待てないという。
「(チームに)いて欲しいと言ってくれた。球団の考えは分かる。でも正直、5年は待てない。旬なときにメジャーに行きたい」。今すぐ挑戦したいという願いは不変だった。
報道陣から「手ごたえはあったか?」と問われ、30秒近く黙り込んだ。橋岡代理人は交渉の席で「早くメジャーに行けたら、もう一度阪神に戻ってくる」とUターンする姿勢を示したが、球団に拒まれた。井川本人にも、認めてもらうための具体的な妥協案や妙案があるわけではない。「今後についての考えはない。けど、自分の気持ちにウソをつかないようにしゃべりたい」。昨季はキャンプイン目前の1月30日までもつれた契約交渉は、決裂でスタート。井川に折れる気配はなく、着地点が見えない。【町田達彦】
[2004/12/28/10:40 紙面から]
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