「井川メッタ斬り」シダックス野村監督激怒
シダックス野村克也GM兼監督(69)が5日、ポスティングによるメジャー挑戦を訴えている阪神井川慶投手(25)をバッサリ斬った。この日東京・調布市のシダックス・グラウンドで本格始動。井川について「誰のお陰でここまで来れたか、よく考えろ!」と激怒した。ノムさんは井川が球団や指導者に対する“感謝の気持ち”を忘れていると指摘。強烈な毒ガスで改心を訴えた。
新年早々、ノムラ節がサク裂した。05年最初のターゲットはなんと、かつての愛弟子・阪神井川だ。この日、調布市内のシダックス・グラウンドで始動した野村監督兼GMは、ポスティングによるメジャー挑戦を訴える左腕エースをメッタ斬りにした。
野村GM「四球、四球のノーコン投手をよく我慢して使ったもんだよ。感謝のない選手はダメだ。だれのおかげでここまで来れたか、よく考えろ!」。
野村監督元年の99年。1軍未経験だった19歳の井川に光を当てたのがノムさんだった。春季キャンプから1軍に大抜てき。5月2日、中継ぎでのプロ初登板(対広島、甲子園)で1死も取れずに降板すると「お前はミーティングに出なくていいから、的当てをやっとけ」と指令したこともあった。結局野村監督時代の3年間は1勝、1勝、9勝で計11勝。星野監督時代の02年から14勝、20勝と開花したが、井川自身も「ここまでこれたのは野村監督のおかげ」というほどノムさんの影響は大きかった。
野村GM「あの長い髪、俺がハサミを持ってって切ってやりたいぐらいやわ」。
感謝の気持ちはどこへ行ったのか。「阪神の未来のエース」と期待し、長い年月をかけて育ててくれた球団や指導者への恩義はどこへ行ったのか? FAの正規ルートではないメジャー行きを強硬に主張する姿が、ノムさんには許せなかった。メジャーへ行かせるために、根気強く指導したのではない。自身は退団しても今でも“阪神井川”への期待が大きいからこそ、ある意味裏切られたように感じていた。
野村GM「昔は金田(正一=通算400勝)や江夏(豊=206勝)でも大リーグのダの字も言わなかった。俺も身のほどを知ってるから、絶対に行こうとは思わなかった。でも井川クラスでどうしてそんなこと言うのかねえ。高津(ホワイトソックス)や長谷川(マリナーズ)クラスが通用してるからか? メジャーもナメられたもんだ」。
かわいさ余って憎さ百倍とはこのことか。いったん火がつくと、野村節は止まらなくなった。注文は井川だけでなく、球団や岡田監督にも及んだ。
野村GM「阪神にいると勘違いするんだろうな。きちんとしつけて欲しい。ダメなものをダメと言えないなら、監督をやる資格もない。今年優勝の可能性なんてゼロじゃ!」。
やるせない気持ちは、強烈な毒ガスとなって吐き出された。【松井清員】
[2005/1/6/12:16 紙面から]
|