赤星「幻アーチ」判定にムッ、激痛盗塁も
<阪神9−3広島>◇5日◇甲子園
二塁へ滑り込んだ赤星の顔は激痛にゆがんでいた。これが勝利への執念、男の意地だ。3日の広島戦で右太もも裏に死球を受けて以来、全力疾走できなかった男が、意義ある15個目の二盗を決めた。
「まだ走れる状態じゃなかった。でもどうしてももう1点欲しい場面やから、思い切って行かせた」。
岡田監督の指令は、赤星自身の中前適時打で2点リードに広げた8回に出た。関本への初球だ。直前にラロッカの2ランで反撃され、どうしても追加点が欲しい場面。患部は「自分でも見たことがないぐらいひどい内出血」を起こし、スタートの姿勢を取ることすら困難な状況にあった。だが赤星は歯を食い縛った。そしてシーツの左前打で見事生還した。
「当たってからあの距離を全力で走ったのは初めて。とにかく得点につながったのがうれしいですね」
不運もあった。初回の先頭打席で、甲子園初本塁打が幻になっていた。長谷川の直球をすくい上げた打球は右翼ポールを巻いてスタンドインしたかに見えた。だが西本一塁塁審はファウルの判定。本塁打を確信していた赤星は目をむき、右翼スタンドのファンからは怒号と「ホームランコール」が沸き起こった。
「僕はホームランと思いました。お客さんもファウルならあんな反応はしないでしょう。失礼かも知れないけど、判断が難しいところだし、線審が必要なんじゃないですか?」
3日にも町田が左翼ポール際に飛ばした“幻サヨナラ2ラン”を巡って一悶着したこともあり、チームを代表して6人制復活を訴えた。でもやっぱり悔しい。「逃がしたなあ。完璧やったのに」。野球の神様も、本塁打より自慢の足で魅せる赤星をヒーローにしたかったのかもしれない。【松井清員】
[2005/5/6/09:07 紙面から]
写真=1回裏無死、赤星は右翼ポール際へ大飛球を放ち、ファウルの判定で口を尖らせアピール
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