今岡、M3弾!9回逆転3ラン141打点
<阪神6−4広島>◇25日◇広島
神様、仏様、今岡さまや〜。広島との今季最終戦の9回表2死、阪神今岡が鯉の守護神ベイルから、左中間へ逆転の28号3ランを放った。それまでの4打席で安打がなくても、こういう場面で打つからすごい。歴代6位の141打点とし、史上5人目のシーズン140打点以上打者となった。中日も勝ったため、マジックは3。負けていたら、28、29日巨人戦での甲子園Vに黄信号がともる危機を、今岡が無類の勝負強さで救った。何度でも言う。アンタはすごい。
これほど頼りになるチームリーダーは、どこを探してもいない。今岡は帰りのバスに乗る直前、三塁側ブルペン入り口で中継ぎ投手陣に向かって、右手を突き上げガッツポーズ。中西投手コーチの最敬礼に笑顔で応えた。
信じられない光景だ。切り札の藤川が逆転を許した直後の9回2死一、三塁。カウント2−1からの5球目。ベイルの速球を思い切りたたくと、打球は高々と舞い、左翼席に吸い込まれた。広島ファンの「あと1球」コールが響くなかで、起死回生の逆転アーチ。メガホンをたたいて絶叫する者がいれば、動けず立ち尽くす者もいる。スタジアムが劇弾に身震いした。そして心震えた。
「思い切って行くだけ。自分のスイングすることだけだったね。小細工はいらない。金本さんか僕のどっちかでかえせばいい…。そういう気持ちで待ったよ」
自己最多タイの今季28号3ランで、試合をひっくり返した。決して好調ではない。18日ヤクルト戦(甲子園)で左手に死球を受け、途中退場。19日からの3試合は打撃練習も回避した。24日広島戦までの5戦は15打数3安打の打率2割。リーグ打点王もわずか1打点だった。それでも、好機が訪れると自然と燃えてくる。集中力を大一番にぶつける。中日に0.5差に迫られた1日、2本塁打で落合竜をKOしたのも、やはり今岡だった。
「チャンスには喜んで入らないとね。人間は、集中できる時間が限られているもの。大事な場面でいかに気持ちは高められるか」
今季141打点とし、史上5人目のシーズン140打点以上をマーク。球団記録の藤村富(50年、146打点)にあと「5」と迫った。一見、順調なシーズンに見えるが実は違う。慢性の故障に悩み、苦しんだ。5月末。持病のバネ指(指痛)や右手首など、全身が悲鳴を上げた。リウマチなどの疑いもあり、トレーナーからも勧められた。
「何か、他の病気にかかっているんじゃないかと思ってね。血液検査も受けたんだよ。大丈夫だったから良かったけどな」
シーズン中に精密な血液検査を受けなければならないほどの非常事態だった。それでも「痛い」と決して言わなかった。この日で開幕から139試合。三塁でスタメン出場を継続している。
激戦の日々でも、ささやかな楽しみがある。朝、長男稜君を兵庫県内の学校に車で送ってからの寄り道。神戸港を一望できるレストランで朝食を楽しむ。「すごい景色がいい。リラックスできるよ」。ハーバービューを眺めながら、つかの間の休息を楽しみ、グラウンドでの集中力につなげてきた。
チームは貯金をついに30に乗せた。マジックも1つ減らした。2軍暮らしが長かった00年に励まされた岡田監督について「現役をやめるときまで、監督でいてほしいくらい感謝している」と言い続けてきた。オフから同監督の胴上げを公言していた今岡の「夢」実現が刻一刻と迫る。「優勝を目の前にしている。いい形でゴールしたいですね」。猛虎、いや球界の歴史に残る5番打者・今岡のシーズンが、間もなく歓喜のクライマックスを迎える。
[2005/9/26/11:59 紙面から]
写真=9回表、起死回生の逆転3点本塁打を放った今岡は、喜ぶ福原コーチの前を満面に笑みを浮かべてダイヤモンドを回る
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