岡田監督ち密計算「予告先発」を逆提案
阪神岡田彰布監督(47)が肉を切らせて骨を断つ。日本シリーズは22日、ロッテの本拠地千葉で開幕する。21日千葉で行われた恒例の監督会議で、岡田監督は不利と思われたシリーズ期間中の予告先発をあえて逆提案した。シーズンで125通りもあった猫の目のロッテのオーダーを予想でき、対応策を準備することでボビー・バレンタイン監督(55)のマジックを封印しようとの狙いだ。もちろん、打者は歓迎だ。岡田監督からは甲子園での日本一宣言まで飛び出した。
監督会議が終わりかけた時だった。岡田監督が質問を投げ掛けた。
「予告先発はどうします?。ファンも喜ぶだろうし、こっちはやっていいと判断していますよ」
思わぬ“逆提案”にバレンタイン監督は目を丸くした。これまで予告先発を提案してきたのはロッテで、阪神は明確な態度を示していなかった。「いいですよ。やりましょう」。少し間を置いて返って来たバレンタイン監督の返事に、岡田監督はニヤリと笑った。
「向こうに先に言われたけど、こっちから“予告先発しましょう”って言おうと思ってたんや。いろんなプラスが両方にあると思う。打順とか戦略とか面でね。全然不利なのにやろうと言うわけないやん」
ほぼ不動の阪神打線に対し、予告先発はシーズンで125通りもの打線を組んだロッテ有利にも思える。だが岡田監督には計算があった。怖いのは何をしてくるか分からないボビー・マジック。だが予告先発なら、敵の打順やそれに伴う作戦がある程度読める。
一方で味方打線はシーズン終了から16日間も実戦から遠ざかった影響で「正直不安」という。だがこれでDH起用者をはじめ打順も前夜のうちに決められる。真の狙いはどっしり構えて戦ってのボビー・マジック封印。これぞ“肉を切らせて骨を断つ”岡田戦法だ。
岡田監督「じゃあ明日の先発も今言いましょか? うちはアクシデントがない限り井川でいきます」。
バレンタイン監督「分かりました。こっちは清水でいきます」。
岡田監督は早速第1戦の井川先発を明かし、相手から清水という情報も引き出した。それまで渡辺俊か清水かで迷っていた阪神には重要な情報。しかも交流戦では9回で1点しか取れなかった下手投げの渡辺俊に対し、清水は4回6失点KOした。岡田監督は「清水は上手投げやし、ちょっとよかったという気持ちはあるな」と、またニヤリだ。
予告先発の発表時期についてもパ方式の5回終了後ではなく、試合終了後と提案した。「5、6戦目になったらその日の勝敗も左右しますし、試合が終わってからでどうですか?」。監督会議は岡田監督主導で進み、思い通りになった。
「2年前の苦い思い出は誰も忘れていない。時の運もあるけど、できれば甲子園で優勝したいね。そして阪神ファンともっと大きな喜びを分かち合いたい」
魔法使いといわれるバレンタイン・ロッテを倒し、現役時代の85年以来の日本一へ。岡田監督は力強く約束した。【松井清員】
[2005/10/22/09:48 紙面から]
写真=大勢のカメラマンを背にがっちりと笑顔で握手を交わす岡田監督(右)とバレンタイン監督。右後方の光はフラッシュ
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