金本先生、ツッパリ中学生を叱った
金本先生が、沖縄のやんちゃな中学生を説教した。9日、阪神の沖縄・宜野座キャンプを課外授業で見学した那覇市立寄宮中学校の3年生6人が、アニキこと金本知憲外野手(37)にサインを求めた。ブカブカのズボンに洋ラン、そり込みリーゼントという“つっぱり”スタイルの少年たちに金本は「お前ら中学生か! 義務教育なんだからちゃんとしろ!」と一喝。ハプニングながら、熱血教師役を演じた。
昔なら横浜銀蝿、今なら氣志團か。ヒザ回りが70センチという土管ズボンに長ラン、短ラン、頭はそり込みリーゼントに前髪染めの短髪…あまりにも分かりやすい“ツッパリ”軍団がゾロゾロと色紙を手に、立ち入り禁止の境界線のロープをまたいだ。お目当ては、宜野座ドームでのマシン打撃を終えた主砲金本。トラのアニキにサインをもらおうと、関係者ゾーンに乗り込んだ。
キャンプ地に似つかわしくないやんちゃ軍団を、金本は大笑いで迎えた。「何だ何だ、お前ら。おーい、ヤンキーは入ってもいいんか。まったく、いまだにこんなの着て。20年くらい前にはやってたぞ」。一触即発、どころかていねいに頭を下げるツッパリ軍団の目的はアニキのサイン。金本は気を許したのか「1枚だけだぞ」と気軽に応じて談笑していたが…
中学生 「あの〜寄宮(よりみや)中学さんへって入れてください」
金本 「何、お前ら中学生か! 中学でその格好はアカンやろ。義務教育なんだから、ちゃんとせんか!」
予期せぬ内角球を投げられたように、大声で一喝した。和気あいあいのムードは一瞬、ピリッと引き締まった。ビーバップ中学生は背筋を伸ばして「ハイ!」。金本は満足そうに「じゃあな」と別れを告げ、肩で風を切りながら、サブ球場に歩いていった。
「一番、いい年齢だけどな。中学生であれはないやろ。オレのクラスにも4、5人、あんなのがおった。オレは親も厳しかったし、興味がなかった。あんなのを何人か倒してたよ」
金本先生の説教を浴びた生徒たちは、学校をサボっていたわけではない。寄宮中の玉城裕章教諭(37=生徒指導課)が引率した社会見学で、立派な課外授業だった。
「悪い子たちではないのですが、学校の中ではどうしても荒れてしまう。外に出そうと、プロ野球のキャンプ地に連れてきたのですが、何かを感じてくれるでしょう。金本選手が説教? サインもいただけたし、来てよかった」
”悪ガキ”たちも「格好よかったなあ」と感服していた。阪神では赤星、藤本、秀太ら若手に慕われ、古巣広島では新井が心酔する貫録で、ファンからはアニキと呼ばれる。キャンプ地ですれ違ったツッパリ中学生たちにも、アニキ節を響かせた。【町田達彦】
[2006/2/10/09:40 紙面から]
写真=金本は球場に現れた中学生たちを見つけるや「懐かしいボンタン(太い学生ズボン)やな」と興味津々
|