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播戸、血まみれの代表デビュー/親善試合

後半、接触プレーで右側頭付近から流血するFW播戸(撮影・宇治久裕)
後半、接触プレーで右側頭付近から流血するFW播戸(撮影・宇治久裕)

<国際親善試合・キリンチャレンジ杯:ガーナ1-0日本>◇4日◇日産ス

 オシムジャパン異色のケンカ番長だ! FW播戸竜二(27=G大阪)が4日、親善試合のガーナ戦(日産ス)で血まみれの代表デビューを果たした。後半23分に途中出場。ゴール前で相手DFと小競り合いし、同41分には頭部を蹴られ流血しながら戦い続けた。シュート1本でゴールこそ奪うことはできなかったが、みなぎる気迫を日本協会の川淵三郎キャプテンらも高く評価。決定力不足にあえぐ日本を、燃える闘魂が変えていく。

 血まみれになった。後半41分、播戸はルーズボールに頭から突っ込み、DFイリアスに右側頭部を蹴られた。流血し、ピッチ外に出されたが、播戸はすぐに戻ろうとした。慌てたドクターが「落ち着け」と必死になだめたほどだった。

 「蹴られた時はむちゃくちゃ痛かった。でも、あれで試合に出れなくなる方がもっと痛い。すぐに試合に出ようとしたけど、興奮するなって言われて…」。

 2分後、テーピングで止血して戦列に復帰した。まるでボクサーのように倒されても起き上がり、W杯16強の相手に挑みかかった。

 代表デビュー戦でも物怖じする様子もない。後半39分のCK。ゴール前のポジション取りでDFサーペイと言い争った。相手を跳ねのけるようにヒジ打ちを食らわすと、その行為見ていたGKキングストンを激怒させた。獣のようにただひたすらゴールを狙った。攻撃の時は前線に張り続けた。後半41分、MF中村のスルーパスに鋭く反応して唯一のシュートを放った。惜しくもポスト右に外れたが、大きな見せ場を作った。

 ピッチに立てばケンカ同然のプレーをするのは、昔も今も変わらない。兵庫・琴丘高時代の97年。兵庫選抜のメンバーとして、稲本(ガラタサライ)のいた大阪選抜と対戦した。ともにG大阪への入団が決まっていたが、エリートへのライバル心があった。その試合で激しい接触プレーで稲本に激突し、ユニホームを引き裂いた。札幌時代にも練習中のミニゲームでGKと激突。同僚にもかかわらず怒鳴りつけたことがある。

 その闘志をむき出しにして戦い抜いた。試合後、負傷した頭部を治療した。3針のケガだったが、播戸は「Jリーグ(7日の磐田戦)も出るから、傷が開かないようにしっかり縫って」倍の6針を求めたという。

 「今日が最後の代表になるかも知れない。また次の試合に呼ばれるかは分からない。ガンバに戻ってまた試合に出て、頑張らないといけないから」。

 これほど気持ちを全面に押し出す選手は、オシムジャパンはおろか、サッカー界でも異色の存在だ。それだけに決定力不足にあえぎ続ける日本代表を、戦闘集団へと変ぼうさせていく可能性も秘める。27歳の代表デビューは、播戸らしく戦い抜いた。【益子浩一】

[2006年10月5日9時39分 紙面から]

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