関西国際空港8・2第2滑走路オープン 旅立ちの決意 width=

nikkansports.com



大阪トップ > 関西国際空港8・2第2滑走路オープン 旅立ちの決意

ザルツブルクDF宮本恒靖はこちら

「ハナマルの空港」関空から世界へ駆ける

日本女子長距離エース 福士加代子

 陸上の女子長距離エース福士加代子(25=ワコール)が、大阪世界選手権(8月25日開幕)へ向け、いよいよ最終調整に入る。3度目の大舞台で初めての入賞を目指し、23日に関西国際空港から合宿地のエチオピアへ出発した。世界への旅立ちは、いつも関空から。日本が誇る爆走娘が、空港での思い出と大一番への決意を語った。

福士写真 福士写真 福士写真

 関空から世界へ。空の旅を重ねるたび、福士は強くなってきた。

 海外初体験は99年、青森・五所川原工高3年時のシンガポール遠征。以後はチリ、アイルランド、スイス、ベルギー、イタリア、フランス、韓国、ギリシャ、フィンランド、カタールと、大会に出場した国だけで計11カ国を数える。7月13日にもローマで大会に出場したばかりだ。

 その起点となるのは、いつも関空。世界をまたにかける爆走娘にとっても、お気に入りの空港だ。

 「ハナマルの空港ですよね~。キレイだし、食べる物もいっぱいあるし。海外の空港に比べて手続きも早い。悪いところが見当たらない」。

福士写真 福士写真 福士写真

 出発前にはいつも、豊富に並ぶ飲食店街で「食べ歩き」して過ごすという。8月2日には第2滑走路がオープン、ますます便利になる。「がんばるねえ、関空!」。福士節でエールをおくった。それほど空港には愛着がある。

 大阪で世界選手権を迎える今季、福士は初めて「ある国」へと足を踏み入れた。関空からドバイで乗り継ぎ、延べ15時間をかけて向かったのはエチオピア。05年ヘルシンキ世界選手権の女子1万メートルでメダルを独占した長距離最強国だ。陸上界では前例のない“未知”の土地で合宿を敢行した。

 国際大会でエチオピア選手の活躍を見るたびに思った。「どうしてあんなに速いんだろう」。その疑問に答えを出すため、自分の目で見てくることに決めた。

 「『ワタシ、足遅いな~』って思いましたね」。標高2500メートルに広がる大平原で、前回金メダリストのディババら代表チームと合同練習。無名の若手にすらついていけなかった。力の差を痛感したが、これしきでメゲないのが福士流だ。「もっと速く走りたいという気持ちが強くなった」と、逆に闘志に火が付いた。かかとをつけずに、つま先部分で走る軽いフォームを身につけてきたという。

福士写真 福士写真 福士写真

 7月23日には、関空から今季3度目となるエチオピア合宿へ出発する。真夏の大一番まであとわずか。世界選手権1万メートルでは03、05年とも11位に終わっており、今回は「入賞を目指す」と意気込むが、実はもう1つ目標がある。「何か、お客さんが見ていて面白いことがしたい」。OL選手だが、プロ以上のプロ意識を持つ。

 7月1日に行われた日本選手権の5000メートルではスタート直後に転んだものの、笑顔で起き上がるとゴボウ抜きで優勝。1万メートルと合わせて2冠を獲得した。

 「最初に転ぶなんておかしいでしょう、ガハハハ。でも、走ってて楽しかったです」。まさに福士ならではの芸当だった。

 さすがに本番で転倒するのはシャレにならないが、彼女なら世界選手権で驚かす「何か」をやってくれるはず。願わくば悲願の8位入賞ではなく、「メダル獲得」というサプライズを期待したい。

 

福士加代子(ふくし・かよこ) 1982年(昭57)3月25日、青森・板柳町生まれ。五所川原工高から00年にワコール入り。02年7月に3000メートルと5000メートル、06年2月にハーフマラソンで日本新記録を樹立。同12月にはアジア大会1万メートルで金メダル。160センチ、44キロ。